桂離宮庭園
複雑な池と島、各所の直線と折れ曲がりなどに注目
特に地形がおもしろいと個人的に思う庭の一つ。池と島の形が非常に複雑で、自分がいるところが池の外なのか島なのかもパッとわかりません。
門と建物のある北川、西側は平らで歩きやすい舗装がしてありますが、南東側は起伏に富み、石段、細い橋、小さい飛石など。足下の低い位置に目を向けることが多くなり、歩くのもゆっくりになりがちです。快適さや気楽さの点では不利ですが、趣味性を重視してこのような路になっているのだと思います。
洪水を警戒してか、建物は高い位置に建っています。
直線の路。直線の延長上、池の向こうにも路があり、橋の跡らしきものがあった。
小島と、州浜の半島。右奥の建物がある場所は実は島である。
月波楼は池の西岸に建ち、月を見る建物だという。ほかに住吉の松のある半島や橋の跡も見える。
明から暗へ、木の無い場所から林の中へ、風景は「大きく」変わる。
橋の上は視界が開けて開放的でありつつ、足を置くところが限られていて窮屈
螢谷から峠の茶屋(賞花亭)への上り坂。桂離宮東部から南部は起伏が多い。
島から別の島へ渡る橋なのだが、そもそも今いるところは島なのか、橋の向こうは島なのか、現地でもわかりにくい。それだけ池と島が複雑なのだ。
園路は飛石の部分が多くその石も小さめ。足下に気をつける必要がある
書院前は平らで、直線的に飛石を打ってある。
桂離宮庭園の私的まとめ
・アプローチを含めれば直線の路がかなりある。長い直線ではなく、曲げたりずらしたりしている。
・池、島の形は回遊式庭園の中で特に複雑。南部には起伏もある。
・池が見えなくなるなど、見え隠れの変化が大きい
・小さい飛石や細い橋などは不便だが趣味性重視
・じつはメインルートが池の外周ではなく中島を通っている。
・平面図では北西から南東へ向かう軸が見て取れる。