梅小路公園朱雀の庭
京都市の梅小路公園にある朱雀の庭は平安遷都1200年記念事業の一環として1994(平成6)年に造られました。伝統的な技法(飛泉障りの木など)を使用する一方、棚田か石灰華段のように並んだごく浅い池など、随所に新しい試みを取り入れています。庭は建物と一体であり、建物の2階から庭に出て庭の外周を廻りながら降りるようになっています。この動線は個人的ポイントです。
南西側が高くなっていますが、これは隣接するJR線の高架を隠すためかもしれません。
池の汀線は曲線的に出入りしています。
棚田状の「池」(というか水盤)。水盤のヘリはカスケード状になっている。棚田状の池は、けいはんな記念公園にもあるが、めずらしい。この庭園のポイントの一つ。
水底を黒くしているのは映った風景が良く見えるためだろう。なお、水深は非常に浅く1cmしかない。
小川とその間の盛り上がり、という地形を強調している。砂利の部分にはすこーし水が流れていた。
園の外周(写真手前)から中心の池(写真左奥)に向かって降りる斜面になっている。園の外周を廻りながら降りる道も見える。
園の南から中央の池に向かって坂を下りたあたり。小滝が何段もある。
地面はうねり、汀線は何重にもなったている。右に見える大きな建物の2階から庭に入る(白い傘のむこうやや上)
庭の西側では一部が垂直の石壁になっている。石壁の上は入り口から続く通路、下は池周りの低地
朱雀の庭の私的まとめ
・建物と一体になった入り口や周りながら下りる園路などほかにない設計上の特徴がある。棚田か石灰華段のような池も面白い。
・出入口は二階にあり出口専用の門は地面の高さにあるので、上から下へらせん状に下りる動きが感じられ…なくもない。
・野筋がよく見える
・南西側が高くなっているのは高架を隠すためかもしれない。庭というものが立地に縛られていることを考えさせられる。