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池の輪郭
他所でも書きましたが、池の輪郭を見ただけでも年代や方向性がぼんやりとわかります。曲線は州浜状か、リアス式か?長い半島があるか?(主屋などから見て) 池に奥行きがあるか?といったことがヒントになりそうです。
並べてみた方がよくわかるかと思ってまとめてみました。
(例はゆっくり増えます)
画像はだいたい同縮尺ですが1割くらいの差はあります。こうして(だいたい)同縮尺で並べてみると、江戸時代の庭園では、4万平方メートルの庭園でも16万平方メートルの庭園でもメインの池の大きさはさほど変わらない気がします。
毛越寺庭園の池
州浜状の緩やかな曲線で知られる。南東側から半島が2つ出ている。[平安時代]
天龍寺の曹源池
長い半島があり、半島の両側あたりの曲線に砂浜のカーブのような美しさがある。
西芳寺の池
鎌倉時代
龍安寺の鏡容池
非常に出入りの少ない輪郭は古庭園らしい?一直線に並ぶ3つの島にも注目。
鹿苑寺の鏡湖池
丸っこい池。西側から長い半島が突き出し、そのライン上に大きな島がある。ほかにも多くの島がある。
小石川後楽園の大泉水
東西は細くなっているが中央部は広い。重森三玲が「三角形」と形容していた[江戸時代前期]
桂離宮の池
江戸時代の庭の池の中でも特に複雑。全体像がぱっと見分からない。 [江戸時代前期]
後楽園 沢の池とひょうたん池
汀線が非常にゆるーい。 [江戸時代前期]
栗林公園 南湖
例によって?島が3つある。中央部は広く、他の池とつながる水路に向かって狭くなる。 [江戸時代前期]
栗林公園 北湖
南西部にあるどこにもつながらない溝が謎。芙蓉峰(▲)の横と裏にも池が回り込んでいて半島になっているのも謎
縮景園の池
複雑な出入りがあり、ゆるやかな曲線ではなくなった。中央部が細い。[江戸時代中期に大改装]
衆楽園の池
園の40%を占める大きな池。細長い。できるだけ敷地一杯に造ろうとした感がある。
養翠園の池
東部が直線的なのは中国の西湖がモチーフだからといわれる。これも敷地一杯。
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