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園路の技法
回遊式庭園という用語だけは解説書によく出てきますが、見るだけの庭園(鑑賞式庭園)とはどう違うのでしょうか。
ここでは私が気になった回遊式庭園ならでは技法をいくつか紹介します。技法について考えることを通じて、見るだけの庭園とは違う回遊式庭園の設計思想や、面白さの方向性が次第にわかってきました。
【路に関する技法例】
1:直線路
直線の路が時々あります。庭の中でも入口から近い部分や、中門へのアプローチなどに使われています(桂離宮 御幸門前後、慈照寺中門へのアプローチ、栗林公園 南庭北部など)。
直線の路の左右を木立などで囲うと、通る人の意識と視線を路の行く先に誘導し、奥に誘う効果があるとされます。

桂離宮庭園の路
[写真AC]

栗林公園 松の回廊
南庭へ入る辺り

銀閣寺路
[京都フリー写真素材集]https://photo53.com/

桂離宮庭園の路
[写真AC]
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2:折れ曲がり、クランク
直線の路が長く続くことは少なく、多くの場合は折れ曲がりがあって先が見通せないようになっています。写真は栗林公園にあるクランク状の通路です。

3:門の向こうで曲がる路
折れ曲がりに近い点もありますが、門があってその向こうで路が曲がっているケースです(写真は中津万象園)。

4:路の脇の築山
視界を遮る高さの築山(人工の山)は江戸時代の大名庭園によくあります。築山のある部分では視界が狭く、閉ざされた場所と感じ、そこを通り抜けると空間が広がります。

小石川後楽園の「木曽路」

岡山後楽園の「木曽谷」

衆楽園北部の路

小石川後楽園の「木曽路」
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5:路の屈曲
ことさら大きく路を曲げている場合もあり、左右に切り替えながら細かく路を曲げている場合もあります。
曲がった路の左右に立木や人工の山があると、見える範囲は自分近くに限られ、移動にしたがって見える景色が変化することになります。
