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​池

【なぜ池を造るのか】

日本の庭では、池を次のように使ったようです。

・水に涼感を感じる

​・水面に広がりを感じる

・舟遊びをする

・水辺の植物を植える

・水面に風景を映して見る

​・池を海(境界)に、島を憧れの異世界に見立てる

​・鴨猟、釣りなどの遊びを行う

​【輪郭・概形を見る】

・丸いか細長いか

・大きい半島が一つ二つあるのか。それとも細かい出入りがいくつもあるのか。

古い庭園の池は丸っこく、曲線が滑らかで、長い半島が1つか2つある気がする。江戸時代の庭園になると、細長い池も増える。細かい出入りが多い池も増える。

池が複雑な庭園は他の部分も細かく、作り込み系の庭だという気がします。

【水辺をどう処理しているか】

​水辺の処理には州浜、護岸石組、杭による土留め、植物などがあり、​傾斜にも急なものもゆるいものもあります。

平安時代の寝殿造庭園や浄土式庭園では水辺の傾斜が緩いことが多く、これに州浜を組み合させることもあります。

室町時代には石組の護岸が多くなってきます。

桃山時代も石組を用いた例が多いですが、その石組が大ぶりの石を用いた背の高いもので、水辺の傾斜も急になっています。

江戸時代には州浜、護岸、杭、植物などあらゆる種類の水辺の処理が行われました。

​明治以降、自然風の水辺とあっさりした護岸とが多い印象。

【大きさ】

明治以降、土地が細分化され巨大庭園が造られなくなったので、池も小型化した…という気がします。

【用途】

​涼感や広がりを感じること、水辺の植物を植えることは多分いつの時代も共通です

鴨猟や釣りは江戸時代に行われたましたが、明治以降ほぼ行われません。本格的な舟遊びもありませんが、乗船体験くらいならできるところがあります。

石組と州浜

石組による水辺(左)と州浜による水辺(右)

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