修学院離宮庭園
更新日:2023年9月23日
【概要と全体配置】
修学院離宮は17世紀中頃に造られた離宮。京都市街からやや北東、比叡山麓の傾斜地にあります。高低差のある敷地に造られた上中下の3つの御茶屋 (上御茶屋、中御茶屋、下御茶屋) を通路で結び、通路周辺は田畑になっています。
【修学院離宮の地形と路】
*路の景
3つの御茶屋を結ぶ細道は現在は松並木の路となっています。
江戸時代には田畑の中のあぜ道でしたが、明治天皇の行幸の前に松並木の路となりました。
*見せないための工夫
修学院離宮庭園と言えば園内の最上部 (隣雲亭) から浴龍池などを見下ろす眺望が有名ですが、そこまでの路は視界の悪い路になっています。 写真の路の左に浴龍池があるはずですが、生垣に隠されてまったく見えません。現在参観者はこの路より右にあるこれよりは緩い階段を利用しますが、そこからも池は見えません。
ガイドの方によれば、一旦視界を閉ざした上で頂上でパッと視界が開けるという演出だということです。
*眺望と池
上記の細道を上り最上部の隣雲亭につくと視界が一気に開けます。
ここから浴龍池を見下ろした風景はおそらくこの庭園で最も有名な風景です。
手前に見える池 (浴龍池) は谷をせき止めて造ったもので、写真中央から左にかけて池の向こうに見えるのがその堤です。庭園の池としては非常に巨大なもので、その全貌は隣雲亭からも見えません。
浴龍池から目を上げれば、遠くには鞍馬など洛北の山々が見えます。
*土手
修学院離宮といえば写真の大刈込も有名です。
なぜここは大刈込になっているのでしょうか。
この場所は浴龍池を造るために谷をせき止めた土手です (上の写真で池の向こうに刈込の最上部が少しだけ見えています)。土手の土留めとして4段の石垣を築いていますが、石がむき出しでは印象が硬すぎると感じて木で覆い、その木を刈込にしたもののようです。つまり土手を作るという工事によって そのままでは景観が悪化するのでその改善ということです。
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