庭と建築: 敷地単位で考える
平面図を見ながらあれこれ考えるのが習慣になっています。特に、庭だけでなく建物や門を含めた。敷地単位の平面図が好きです。こういった平面図を見ていると、繰り返し出てくるパターンのようなものがあります。例えば次のようなものです。
・門から建物までの空間→通路とその周辺
・広場状の空間→作業場や集会場となるものか
・客を迎える部屋(座敷、表書院などと呼ばれる)に面した庭→迎賓の庭
・建物に囲まれた中庭→通風採光、エリアの区切りなどになる・茶室や離れへの通路を兼ねる庭
建築と庭園は本来非常に関連が深いはずですが、鑑賞中心の解説書には建築のことがあまり出てきません。建物を含めた平面図を見ることで、足りないところを補ううことができでしょう。
田の字型間取りは古民家によくある間取り。庭園はザシキ(接客の部屋)前にある点に注目。
江戸時代の大規模町家。作業場となる前庭A、応接スペースの庭Bなどが確認できる
幕末の武家屋敷で、藩主の避難所となることを想定。藩主を迎える場所 (大玄関、茶室、座敷) 周辺を特に見栄えよく造っている
江戸時代の大規模町家。迎賓のための部屋 (大広間、上の間など) に面して庭がある。
江戸時代~明治時代、木蝋製造業者の住宅と作業場。主屋(事務所、応接室)と離れ(住居)との間に中庭がある
幕末から明治の塩田地主の邸宅。広場状の庭 (蔵、母屋の前) と飛石や築山で景色を造った庭 (表書院回り)がある。表書院回りの庭は茶室への通路にもなっている
旧大名家の邸宅。広場状の前庭、裏へ廻る通路、迎賓スペースの庭などがある
明治時代、住友幹部の別荘。
実業家の別荘。玄関前の庭と客間前の庭がある。
江戸時代から昭和までの建物が混在する町家。築山、池、石組を備えた庭は座敷 (応接の部屋) に面している。庭の門から庭を通って、直接座敷に上がることができる
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