粉河寺庭園は美と土木の交わるところ
【前説】 粉河寺 (こかわでら) 庭園は異色の「庭園」です。 普通お寺の庭園と言えば方丈前や書院前にあるものが思い浮かびますが、この庭園は本堂前の石段の両翼にあります。幅50mに対して奥行きは3mしかなく、高さは約3mです。大石をぎっしりと詰め込み、残った隙間にツツジ、マツ...
南禅寺本坊の庭園
京都市左京区にある南禅寺(なんぜんじ)は臨済宗南禅寺派の大本山です。歩いて行ける範囲にいくつもの見どころがあって、観光客の立場から言っても便利なところです。 2023年初頭、南禅寺天授庵に行くついでに本坊にも寄ってきました。 【庭園について】 方丈 (国宝)...
建仁寺大雄苑ほか
2023年 初頭に訪問した建仁寺の記事をいまさら書きます。記事が遅くなった理由は文章に困ったからです。 建仁寺で特に見たかった「○△□の庭」と「潮音庭」の記事はすでに書いているのでそれ以外ということになります。 ・大雄苑 建仁寺の方丈前庭を大雄苑 (だいおうえん)...
大日寺 (高知県) の庭
【大日寺について】 高知県香南市にある法界山大日寺 (ほうかいざんだいにちじ)は四国八十八箇所霊場の第28番札所。本尊は大日如来。 ご詠歌:露霜と罪を照らせる大日寺 などか歩みを運ばざらまし 寺は山の中腹にあります。麓のバス駐車場から30mほど登ったところに山門(近くに普通...
法然院ガラス枯山水「つながる」
[アートとガラスと枯山水] 庭の方向性を乱暴に分ければ、楽しいもの、落ち着くもの、アート的なものがあります。枯山水はその中だとおおむねアート系のイメージ。ならば伝統的様式の枯山水ばかりではなく、もっと作家の主張や時代性の出たものがあってもよいのではないかと思います。というわ...
建仁寺「○△□乃庭」
[ZENな感じがする中庭] 今回紹介するのは「○△□乃庭」。江戸時代の禅僧 仙厓の残した「○△□」という禅画?がモチーフの禅っぽい庭だ。 【仙厓と「○△□」について】 江戸時代の画僧 仙厓は、もともと絵がうまかったらしい。ピカソがそうだったように、仙厓も若いころは正統的な画...
神峯寺庭園はなるほど神の峰だった
四国霊場27番札所 神峯寺(こうのみねじ)は山の険しい急斜面の上にあります。 最寄り駅の唐浜あたりを起点として、直線距離で2.5km、歩き遍路の路で3km、自動車が通れる道で4㎞。この距離に対して標高差が430mもあり、平均勾配が10%を越えています。...
天授庵庭園_再訪
天授庵庭園は路も面白い 以前にも書いたが、天授庵庭園はそれ程大きくない庭ながら路が面白い。園路の写真を撮ろうと再び訪問したので、天授庵の道順に沿って説明したい。 【天授庵庭園の路】 見学者は敷地の北から入り、方丈の北脇にある切石の通路を通って東に進む。路の脇は苔地になってい...
仏心寺庭園
いつもどおりの慣れ親しんだものに心安らぐのはもっともなことだ。変わった庭を扱うことも多いこのサイトだが、今回は何も変わったことの無い、いかにもな和風の庭園に行ってみた。 瑞光山仏心寺(ずいこうざんぶっしんじ)があるのは岡山の市街地の東にある操山という山の中腹。同じ山、同じバ...
慈眼寺(愛媛県)の庭 紅葉まつり
最近では庭に行くにもよく考えて、書きたいことか撮りたいものがある庭に行くようにしている。この慈眼寺(じげんじ)の庭は紅葉まつりの写真を撮りに行った庭。 【庭について】 慈眼寺の庭は建物群を囲むように3カ所にある。 本堂前(東)には枯山水があり、これは通常公開されている。白砂...