

福武トレス2 雑木の庭と森に溶ける建築
岡山の文化水準は侮れません。 2025年で6回目となる瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)も、岡山発のプロジェクトでした。 瀬戸芸をプロデュースした福武總一郎氏の妹、福武美津子氏による福武トレスもまた、興味深い物があります。 【福武トレスについて】...


福武トレス1 数寄屋風迎賓館と小形研三による雑木の庭
福武…と言えば、福武書店(現:ベネッセコーポレーション)の進研ゼミを連想される方もいると思います。今回紹介する福武トレスは福武書店ゆかりの庭で、2024年にリニューアルオープンしました。心地よい雑木の庭です。 【福武トレスについて】...


掬月亭 栗林公園と調和する建築
【はじめに】 掬月亭(きくげつてい)は栗林公園の南湖西岸にある建物。栗林公園の紹介によく使われるこの風景で、池の向こう岸に見える建物です。 飛来峰から見た栗林公園 この建物は風景の一部であると同時にそれ自体が興味深く、建築的にも注目されています。...


庭園と石
【はじめに】 造園における石は、庭園の美しさや構成に大きく関わる重要な要素です。今回は日本庭園と石について書かせて下さい。 【何のために石を使うのか】 まずはそもそも石を使うのは何のためか考えてみます。 土留めの材料 水際、段差、急傾斜の場所などに石を使い、土が流出したり崩...


都会の庭:ハラカドの屋上庭園
【はじめに】 2024年に「おもはらの森」を訪問した時、気になっていたのが交差点の向かいにある建物「ハラカド」。交差点に面した側を斜めに切り欠いて立体的な屋上庭園を造っているように見えます。開店時間前で入れませんでしたが、気になる物件なので簡単に紹介したいと思います。...


園路の風景:特に沿道に注目して
【はじめに】 また園路について語ろうと思います。 庭めぐりを始めた頃は、庭園と言えば池のイメージがありました。多分、何かの解説書にそう書いてあったのでしょう。しかし、実際に庭園を訪問してみると、池と関係なく、路とその脇で景色ができている例に多く出会います。...


都会の庭:御殿山庭園
【御殿山庭園について】 御殿山庭園は、東京都品川区にある日本庭園。 品川駅から1kmほどの場所にあり、周辺の高台にはマンションや高級住宅が建ち並ぶ。 ホテル、ビジネスセンター等からなる複合施設「御殿山トラストシティ」の一部 木が多い庭園で季節によりサクラや紅葉が楽しめる。...


臥龍山荘 不老庵と煎茶趣味
【はじめに】 「茶室(数寄屋)は抹茶を嗜むための空間だ」と考える人は多いと思います。ところが明治時代に造られた数寄屋には茶の湯の型にはまらないものが多くあるそうです。 愛媛県大洲市にある「臥龍山荘」の不老庵もそのような数寄屋の1つ。...


中津万象園の煎茶室 観潮楼
【はじめに】 中津万象園(なかづばんしょうえん)の見所の一つが、池の南に建つ「観潮楼」(かんちょうろう)。この建物は「現存最古の煎茶室」とも呼ばれ、中津万象園を訪れる際はぜひ意識してほしい場所です。 ですがそもそも煎茶室とは何か疑問に思う人もいるでしょう。...


流店 岡山後楽園の奇妙な建築
【はじめに】 流店(りゅうてん)とは岡山後楽園にある建物の1つで、建築家にも注目されているものです。 今回は岡山後楽園の奇妙な建築「流店」を解説します。 【流店の基本情報】 流店は岡山後楽園の中央よりやや東、人口の小山の東にある木造、こけら葺きの建物。東西約10m、南北約5...


室町時代の武家庭園
【はじめに】 室町時代の武家庭園はどのようなものだったのか、庭園の概説書には書かれていません。お寺については「枯山水が登場した」と書かれていますが、同時期に上級武士(や貴族)が造った庭園がどうだったのかについては触れられていないことがほとんどです。...


園路集5:商業施設 美術館 その他
【美術館】 足立美術館 耕三寺美術館 「未来心の丘」 中田美術館 【ホテル】 ホテルニューオータニ日本庭園 京王プラザホテルの外空間 【カフェ】 愛松亭カフェ カフェ 苔筵 【観光庭園】 由志園 【その他商業施設】 新梅田シティ 【その他】 仙石庭園...


平等院庭園と浄土のイメージ
【はじめに】 平等院庭園は浄土式庭園の貴重な現存例として、庭園の概説書には大体出てきます。ですが、一般的には鳳凰堂だけが有名で、あまり庭園のイメージはありません。 庭園のイメージがない理由は、ほぼ池と建物しかないからです。私も平等院庭園を初めて訪れた時、池と建物にしか意識が...


瀬戸内海歴史民俗資料館 土地と建築と中庭のつながり
【瀬戸内海歴史民俗資料館とは】 瀬戸内海歴史民俗資料館は、香川県中部、五色台という山塊の上にある人文系博物館。瀬戸内海沿岸11府県の暮らしと文化に関する道具を収集、保存、研究、展示しています。 収蔵品は農村や漁村の生活道具が多く、キャッチーさはありませんが、実物展示が多い博...


雪の石谷家住宅とその庭園
【石谷家住宅とその庭園:石谷家について】 石谷家は智頭(鳥取県南部の山地にある)の商家。江戸時代は宿屋を営み、明治以降は山林地主として栄えました。 現在残る石谷家の住宅は大正8年から昭和4年にかけて造営されたもので、部屋数が40、蔵が7つという大邸宅です。主屋、座敷棟、蔵な...