

和風庭園と洋風庭園 共通点と違い
【はじめに】 Google の検索窓に和風庭園、洋風庭園と入力すると「違い」というサジェストが出ます。 和風庭園と洋風庭園との違いは何でしょうか。 個人的にはフレーバーの違いだと思います。 それを説明するにはまず、共通点の話をしなければなりません。 六義園...


倉敷美観地区と周辺の庭園群
【はじめに】 倉敷、と言えば倉敷美観地区の町並みが連想されるでしょう。 古い建物の残るこの地区にはまた、江戸時代後期から明治にかけての住宅庭園も現存します。 徒歩圏内に数か所の庭があり、建物に上がることもできるのでおすすめです。...


日本庭園 なぜ鶴 亀 松なのか
【はじめに】 なぜ日本の庭園といえば鶴、亀、松だったのか、考えてみたいと思います。 一般的な説明は、これらが長寿や不変の象徴であり、それゆえに縁起が良いというものです。 この説明に反対というわけではありませんが、物足りないところはあります。 そこも含めて書いてみます。...


庭園公開と庭園観光の歴史
庭園公開と庭園観光の歴史について考えたいと思います。 元々庭園はオーナーや招待客だけが利用できるものでした。 庭園が観光の対象になったのは庭園の歴史からすると比較的最近のことで、入園料などが制度化されたのはさらに最近のことです。 その歴史を見ていきましょう。...


庭園と視点場
【はじめに:視点場とは】 多くの場合、庭園は視点となる場所を想定して造られます。この視点となる場所のことを「視点場」と呼びます。視点場を知っておくことで、初めて訪れる庭園でもどこから見れば景色が良いか見当がつきやすくなるでしょう。...


福武トレス2 雑木の庭と森に溶ける建築
岡山の文化水準は侮れません。 2025年で6回目となる瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)も、岡山発のプロジェクトでした。 瀬戸芸をプロデュースした福武總一郎氏の妹、福武美津子氏による福武トレスもまた、興味深い物があります。 【福武トレスについて】...


福武トレス1 数寄屋風迎賓館と小形研三による雑木の庭
福武…と言えば、福武書店(現:ベネッセコーポレーション)の進研ゼミを連想される方もいると思います。今回紹介する福武トレスは福武書店ゆかりの庭で、2024年にリニューアルオープンしました。心地よい雑木の庭です。 【福武トレスについて】...


掬月亭 栗林公園と調和する建築
【はじめに】 栗林公園と言えばこれ、という写真があります。 飛来峰から見た栗林公園 山と池があり、池の手前には木の反り橋、向こう岸には和風の建物。 この建物は風景の一部であると同時にそれ自体が興味深く、建築的にも注目されています。 今回はこの掬月亭を解説しましょう。...


庭園と石
【はじめに】 造園における石は、庭園の美しさや構成に大きく関わる重要な要素です。今回は日本庭園と石について書かせて下さい。 【何のために石を使うのか】 まずはそもそも石を使うのは何のためか考えてみます。 土留めの材料 水際、段差、急傾斜の場所などに石を使い、土が流出したり崩...


都会の庭:ハラカドの屋上庭園
【はじめに】 2024年に「おもはらの森」を訪問した時、気になっていたのが交差点の向かいにある建物「ハラカド」。交差点に面した側を斜めに切り欠いて立体的な屋上庭園を造っているように見えます。開店時間前で入れませんでしたが、気になる物件なので簡単に紹介したいと思います。...


園路の風景:特に沿道に注目して
【はじめに】 また園路について語ろうと思います。 庭めぐりを始めた頃は、庭園と言えば池のイメージがありました。多分、何かの解説書にそう書いてあったのでしょう。しかし、実際に庭園を訪問してみると、池と関係なく、路とその脇で景色ができている例に多く出会います。...


都会の庭:御殿山庭園
【御殿山庭園について】 御殿山庭園は、東京都品川区にある日本庭園。 品川駅から1kmほどの場所にあり、周辺の高台にはマンションや高級住宅が建ち並ぶ。 ホテル、ビジネスセンター等からなる複合施設「御殿山トラストシティ」の一部 木が多い庭園で季節によりサクラや紅葉が楽しめる。...


臥龍山荘 不老庵と煎茶趣味
【はじめに】 「茶室(数寄屋)は抹茶を嗜むための空間だ」と考える人は多いと思います。ところが明治時代に造られた数寄屋には茶の湯の型にはまらないものが多くあるそうです。 愛媛県大洲市にある「臥龍山荘」の不老庵もそのような数寄屋の1つ。...


中津万象園の煎茶室 観潮楼
【はじめに】 中津万象園(なかづばんしょうえん)の見所の一つが、池の南に建つ「観潮楼」(かんちょうろう)。この建物は「現存最古の煎茶室」とも呼ばれ、中津万象園を訪れる際はぜひ意識してほしい場所です。 ですがそもそも煎茶室とは何か疑問に思う人もいるでしょう。...


流店 岡山後楽園の奇妙な建築
【はじめに】 流店(りゅうてん)とは岡山後楽園にある建物の1つで、建築家にも注目されているものです。 今回は岡山後楽園の奇妙な建築「流店」を解説します。 【流店の基本情報】 流店は岡山後楽園の中央よりやや東、人口の小山の東にある木造、こけら葺きの建物。東西約10m、南北約5...