2023年12月22日
修学院離宮のスケールと大刈込
【前説】 修学院離宮 (しゅうがくいんりきゅう) は京都市の北東、比叡山の麓にあり、眺望や大刈込が有名 (後述)です。 【修学院離宮の概要】 修学院離宮は17世紀中頃、後水尾上皇が造営した離宮です。 上御茶屋 (かみのおちゃや)、下御茶屋 (しものおちゃや)、中御茶屋...
2023年10月21日
南禅寺本坊の庭園
京都市左京区にある南禅寺(なんぜんじ)は臨済宗南禅寺派の大本山です。歩いて行ける範囲にいくつもの見どころがあって、観光客の立場から言っても便利なところです。 2023年初頭、南禅寺天授庵に行くついでに本坊にも寄ってきました。 【庭園について】 方丈 (国宝)...
2023年10月8日
建仁寺大雄苑ほか
2023年 初頭に訪問した建仁寺の記事をいまさら書きます。記事が遅くなった理由は文章に困ったからです。 建仁寺で特に見たかった「○△□の庭」と「潮音庭」の記事はすでに書いているのでそれ以外ということになります。 ・大雄苑 建仁寺の方丈前庭を大雄苑 (だいおうえん)...
2023年8月6日
並河靖之七宝記念館とシドモアとニシキゴイ
並河靖之七宝記念館 (旧並河靖之邸) の庭の池では数匹のニシキゴイが泳いでいます。かつて並河は庭に面した座敷に大事な客を通し、手ずからコイに餌をやり、時には来客にすすめてコイに餌をやらせました。 このニシキゴイ、明治時代に来日した海外ジャーナリストたちの著作にも登場するのを...
2023年7月30日
並河靖之七宝記念館と明治という時代
京都東山界隈、大通りから路一本横に入った古い街並みの中に、明治時代の町家が記念館として保存されています。今回紹介する並河靖之七宝記念館です。 【七宝とは?並河靖之とは?】 まずは施設の名前になっている「七宝」と「並河靖之」について説明しましょう。 七宝 (七宝焼)...
2023年6月21日
法然院ガラス枯山水「つながる」
[アートとガラスと枯山水] 庭の方向性を乱暴に分ければ、楽しいもの、落ち着くもの、アート的なものがあります。枯山水はその中だとおおむねアート系のイメージ。ならば伝統的様式の枯山水ばかりではなく、もっと作家の主張や時代性の出たものがあってもよいのではないかと思います。というわ...
2023年3月22日
建仁寺「○△□乃庭」
[ZENな感じがする中庭] 今回紹介するのは「○△□乃庭」。江戸時代の禅僧 仙厓の残した「○△□」という禅画?がモチーフの禅っぽい庭だ。 【仙厓と「○△□」について】 江戸時代の画僧 仙厓は、もともと絵がうまかったらしい。ピカソがそうだったように、仙厓も若いころは正統的な画...
2023年1月15日
天授庵庭園_再訪
天授庵庭園は路も面白い 以前にも書いたが、天授庵庭園はそれ程大きくない庭ながら路が面白い。園路の写真を撮ろうと再び訪問したので、天授庵の道順に沿って説明したい。 【天授庵庭園の路】 見学者は敷地の北から入り、方丈の北脇にある切石の通路を通って東に進む。路の脇は苔地になってい...
2022年1月24日
蓮華寺庭園
[「お寺の庭は外の仏壇である」] 京都市左京区の蓮華寺(れんげじ)は江戸初期に再興された天台宗の寺院。庭園は重森三玲著『日本庭園史大系』(1978)にも記載されていて、ごく一部では以前から知られていた存在。ツーリズムの世界では紅葉の美しい穴場庭園として紹介されていたが、最近...
2022年1月12日
龍安寺鏡容池庭園
[方丈庭園とは、寺の一部に過ぎない] 枯山水で有名な龍安寺には池庭もある。庭を造ったのは応仁の乱で有名な細川勝元(1430~1473)とされる。江戸時代にはこの池庭が名所扱いで、当時のガイドブック『都名所図会』にも載っている。...