

桂離宮庭園の藪と林
【はじめに】 桂離宮を参観して、意外だったことがあります。 「案外、ただの林の部分があるな」ということです。 例えば松琴亭から賞花亭へいたる途中の路沿い。 もちろん本当はただの林ではないのでしょう。ですが一見自然風で、見どころとも思われていない場所です。...


江戸時代における桂離宮の利用
【はじめに】 今回は桂離宮の利用について、宮内庁のサイトと江戸時代の文献(宮内庁書陵部のサイトで読めます)をもとに解説します。 桂離宮の庭は本来使う庭でした。また、参観の時に聞いた話だと、現在でも、皇室の茶会や国賓の接待に使われているそうです。...


和風庭園と洋風庭園 共通点と違い
【はじめに】 Google の検索窓に和風庭園、洋風庭園と入力すると「違い」というサジェストが出ます。 和風庭園と洋風庭園との違いは何でしょうか。 個人的にはフレーバーの違いだと思います。 それを説明するにはまず、共通点の話をしなければなりません。 六義園...


日本庭園 なぜ鶴 亀 松なのか
【はじめに】 なぜ日本の庭園といえば鶴、亀、松だったのか、考えてみたいと思います。 一般的な説明は、これらが長寿や不変の象徴であり、それゆえに縁起が良いというものです。 この説明に反対というわけではありませんが、物足りないところはあります。 そこも含めて書いてみます。...


庭園公開と庭園観光の歴史
庭園公開と庭園観光の歴史について考えたいと思います。 元々庭園はオーナーや招待客だけが利用できるものでした。 庭園が観光の対象になったのは庭園の歴史からすると比較的最近のことで、入園料などが制度化されたのはさらに最近のことです。 その歴史を見ていきましょう。...


庭園と石
【はじめに】 造園における石は、庭園の美しさや構成に大きく関わる重要な要素です。今回は日本庭園と石について書かせて下さい。 【何のために石を使うのか】 まずはそもそも石を使うのは何のためか考えてみます。 土留めの材料 水際、段差、急傾斜の場所などに石を使い、土が流出したり崩...


室町時代の武家庭園
【はじめに】 室町時代の武家庭園はどのようなものだったのか、庭園の概説書には書かれていません。お寺については「枯山水が登場した」と書かれていますが、同時期に上級武士(や貴族)が造った庭園がどうだったのかについては触れられていないことがほとんどです。...


庭園と月
【はじめに】 庭園を巡っていると、「月」の名のついた建物や設備を見つけることがあります。庭園と月には何かと縁があったようです。 今回は庭園と月の関係を考えてみます。 【庭園で行う月見の宴】 庭園と庭の縁と言えばまず思いつくのは月見です。...


池泉回遊式庭園は池が中心なのか
【はじめに】 池泉回遊式庭園の中心は池なのか?という問題を考えてみたいと思います。 「池泉回遊回遊式庭園」という名前からは池が一番重要であるような印象を受けますし、池が中心だと書いてある解説もあります。ですが、筆者が庭園を巡って現地で見た感想として、「ちょっとそうは言い切れ...


現代の庭園 トピックス
【施主】 ・多様な施主 お寺や王侯貴族だけではなく、ホテルやレストラン、美術館など様々な団体が庭園を造っています。 しょうざんリゾート京都の庭 【理念、思想】 ・人文景観への関心 自然の景観だけでなく、棚田など、人が作った風景が庭のモチーフとして取り入れられています。...