現代の庭園 トピックス
【施主】 ・多様な施主 お寺や王侯貴族だけではなく、ホテルやレストラン、美術館など様々な団体が庭園を造っています。 【理念、思想】 ・人文景観への関心 自然の景観だけでなく、棚田など、人が作った風景が庭のモチーフとして取り入れられています。 ・郷土愛...
桂離宮で池泉回遊式庭園とは何かを考える
桂離宮庭園は池泉回遊式庭園の代表的なものです。 というよりも池泉回遊式という概念自体が、主に桂離宮庭園の研究から生まれたと思われるふしもあります。 というわけで、今回は桂離宮庭園を例にして、池泉回遊式庭園とは何かを考えようと思います。 【使って遊んで楽しむ要素がある】...
庭園と著作権:希望の壁事件
【前説】 庭園を改変することは著作権の観点からはどうなのでしょうか。そもそも庭園は著作権法が適用される「著作物」でしょうか。 ファンの人からすれば庭園は当然著作物でしょう。それは正しいのですが、実は司法が明確に判断を示したのは、2013年と比較的最近の事です。...
庭園と人文景観
庭のモチーフとなるのは自然景観とは限らず、田畑や路、町並みなど人が造った景観(人文景観)を造ることもあります 農作業をする人や道を往く人を配置して景観を演出することさえ行なわれました 【橘俊綱 伏見亭の人文景観】 早くも平安時代には、庭に人文景観を再現した例があります...
後楽園の路
見るだけの庭園とは違って、歩く庭園には園路の面白さがあります それは岡山後楽園もそうです 岡山後楽園は中央に芝生エリア、周辺に林と大まかに分かれていて、路の様子も違っています 【1.伸びやかな路】 岡山後楽園でまず目につくものの1つが、明るい緑の芝生と白い路の組み合わせです...
栗林公園で路の技法を学ぶ
歩く庭には歩く庭の演出と技法があります。それは見るだけの庭とは楽しみ方も方向性も違うからです。庭に使われている技法を見れば、庭の楽しみ方や庭の設計思想を考えるヒントになるかもしれません。 というわけで栗林公園を例に、歩く庭の技法、特に路の技法を見ていきたいと思います。...
磐座は日本庭園の源流なのか
「磐座は日本庭園の源流だ」と、一般向きの解説本には時々書かれています。 重森三玲 ・完途氏のように、磐座を日本庭園の源流だと主張する研究者もいます。 ですがこれはどれくらい文字通りに受け取ってよいものでしょうか。 私が思うに、「磐座=日本庭園の源流」という考えには2つ(考え...
庭園と立地
「この庭はなぜこういうデザインなのか」を考えるとき、立地も重要な要素になると思う。不利な要素があればどう克服し、有利な要素があればどう活用するか、それによって庭園のデザインも変わってくるはずだ。まず克服例、その後活用例を見てみよう。...
日本の庭園と眺望
庭園と眺望について、昔の人はどう考えていたのでしょうか。それがわかる1つのエピソードが『今鏡』に残されています。登場人物は白河上皇と、『作庭記』の著者とされる橘俊綱です。 【白河上皇と橘俊綱の会話に見る庭園観】 白河院、一におもしろき所は、いづこかあるとゝはせ給ひければ、一...
借景は見せたいものだけを見せる
日本庭園の良く知られた技法に借景があります。外の景色を庭の景色として取り入れる技法です。 その事例に当たると、外の景色をそのまま見せるのではなく見せ方をコントロールしていることが分かります。 今回はそのような事例を紹介しましょう。 【借景の事例】 円通寺庭園の場合。...