

室町時代の武家庭園
【はじめに】 室町時代の武家庭園はどのようなものだったのか、庭園の概説書には書かれていません。お寺については「枯山水が登場した」と書かれていますが、同時期に上級武士(や貴族)が造った庭園がどうだったのかについては触れられていないことがほとんどです。...


庭園と月
【はじめに】 庭園を巡っていると、「月」の名のついた建物や設備を見つけることがあります。庭園と月には何かと縁があったようです。 今回は庭園と月の関係を考えてみます。 【庭園で行う月見の宴】 庭園と庭の縁と言えばまず思いつくのは月見です。...


池泉回遊式庭園は池が中心なのか
【はじめに】 池泉回遊式庭園の中心は池なのか?という問題を考えてみたいと思います。 「池泉回遊回遊式庭園」という名前からは池が一番重要であるような印象を受けますし、池が中心だと書いてある解説もあります。ですが、筆者が庭園を巡って現地で見た感想として、「ちょっとそうは言い切れ...


現代の庭園 トピックス
【施主】 ・多様な施主 お寺や王侯貴族だけではなく、ホテルやレストラン、美術館など様々な団体が庭園を造っています。 しょうざんリゾート京都の庭 【理念、思想】 ・人文景観への関心 自然の景観だけでなく、棚田など、人が作った風景が庭のモチーフとして取り入れられています。...


桂離宮で池泉回遊式庭園とは何かを考える
桂離宮庭園は池泉回遊式庭園の代表的なものです。 というよりも池泉回遊式という概念自体が、主に桂離宮庭園の研究から生まれたと思われるふしもあります。 というわけで、今回は桂離宮庭園を例にして、池泉回遊式庭園とは何かを考えようと思います。 【使って遊んで楽しむ要素がある】...


庭園と著作権:希望の壁事件
【前説】 庭園を改変することは著作権の観点からはどうなのでしょうか。そもそも庭園は著作権法が適用される「著作物」でしょうか。 ファンの人からすれば庭園は当然著作物でしょう。それは正しいのですが、実は司法が明確に判断を示したのは、2013年と比較的最近の事です。...


庭園と人文景観
庭のモチーフとなるのは自然景観とは限らず、田畑や路、町並みなど人が造った景観(人文景観)を造ることもあります 農作業をする人や道を往く人を配置して景観を演出することさえ行なわれました 【橘俊綱 伏見亭の人文景観】 早くも平安時代には、庭に人文景観を再現した例があります...


後楽園の路
見るだけの庭園とは違って、歩く庭園には園路の面白さがあります それは岡山後楽園もそうです 岡山後楽園は中央に芝生エリア、周辺に林と大まかに分かれていて、路の様子も違っています 【1.伸びやかな路】 岡山後楽園でまず目につくものの1つが、明るい緑の芝生と白い路の組み合わせです...


栗林公園で路の技法を学ぶ
歩く庭には歩く庭の演出と技法があります。それは見るだけの庭とは楽しみ方も方向性も違うからです。庭に使われている技法を見れば、庭の楽しみ方や庭の設計思想を考えるヒントになるかもしれません。 というわけで栗林公園を例に、歩く庭の技法、特に路の技法を見ていきたいと思います。...


磐座は日本庭園の源流なのか
「磐座は日本庭園の源流だ」と、一般向きの解説本には時々書かれています。 重森三玲 ・完途氏のように、磐座を日本庭園の源流だと主張する研究者もいます 。 ですがこれはどれくらい文字通りに受け取ってよいものでしょうか。 由加神社(岡山県)の磐座...