福山城内の福寿会館庭園は天守閣が借景
更新日:2023年10月9日
【福寿会館について】
福山城内にある福寿会館はもともと昭和初期に個人 (安部和助という海産物商) の別荘として建てられ、現在は福山市の施設となっています。
【敷地と建物】
福寿会館があるのは福山城公園の北東部 (旧二之丸下段北側) で、本丸の北です。7,395平方メートルの敷地に本館 (和館)、洋館、2つの蔵、2つの茶室の6棟があり、すべて国の登録有形文化財に指定されています。建物はおおむね敷地の北から東寄りにありますが、南茶室だけは南にあります。
これらの建物に囲まれた中庭が今回紹介するお庭です。
【庭園について:概要】
庭園は本館の南にある池庭で、本館から庭園越しに福山城天守閣が見えるようになっています。庭園は茶室への通を兼ねているので、園内に腰掛、露地門などが存在します。
【庭園について:私からのおすすめ】
・天守閣を望む庭
成功した実業家の別荘の庭というのは全国にたくさんありますが、城内にあって天守閣が景色の一部というのは珍しいです
・狭い通路や中潜り
西側の露地門付近などに狭い窮屈な通路があり、また南茶室には中潜りがあります。このあたりは「通りながら体験する」という性格が表れていて面白いです。
【利用】
カフェ有
有料で部屋を借りることができます
福寿会館自体も、茶会などの行事を主宰しています。
詳しくは福寿会館公式サイトより
【余談:施主、安部和助は何者か】
福寿会館を造った安部和助とは何者でしょうか?
安部和助は初めて削り節を商品化し、大きな利益を上げた人物です。『人事興信録』にも広島県高額納税者、鰹節商として掲載されています。1886年生まれとなっているので、削り節を発売した1912年は26歳、福寿会館を建てた1935年頃は50歳前後ということになります。
【基本情報】
施設の性格:個人邸宅 現貸会議室、喫茶
庭の性格: 住環境 茶庭
作庭年代:昭和初期
施主:安部和助
アクセス: JR福山駅北口から徒歩7分
公開状況:庭園は無料公開。施設利用は有料。
その他:庭園部分にはトイレが無いので、福寿会館のトイレまたは福山城公園のトイレを利用
(2022年9月訪問。情報は訪問時のものです)
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