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観音寺・神恵院庭園 「巍巍園」

更新日:2月18日

【観音寺・神恵院について】

観音寺(かんのんじ)・神恵院(じんねいん)は香川県西部にある真言宗の寺院で、四国八十八か所の第六十八、六十九番札所。同じ敷地に二つの札所があることで知られる。2つの寺を含む一帯(寺のある山、その西の松原と砂浜など)は「琴弾公園」として名勝に指定されている。


【庭園について】

庭園は巍巍園(ぎぎえん)という。観音寺の書院裏、神恵院の本堂横にあり、急な山に多数のサツキ・ツツジの刈込を配している。

コンクリート打ちっぱなしの本堂横に無造作に空いた開口部があるが、一見庭の入り口に見えず、入って良いのかも不安。だが、開口部の向こうを見ると道があり橋があり、古いがベンチもあった。ということはやはりここが入り口なのだろう。

この入り口を入ると、見た目にまず目立つのは刈込で、大小さまざまなツツジ・サツキの刈込が山の急斜面に大量に配置されている。

上部から見た巍巍園と書院
上部から見た巍巍園と書院
ツツジの刈込
ツツジの刈込
下から見た巍巍園
下から見た巍巍園

もう一つの特徴は池。斜面の下に池があるが、地面を掘った池ではなく、石壁で貯水槽を作ったようになっている(何だろこれ)。近く(直線距離で300mくらい)の琴弾公園内にある池にちょっと似ている気もするのだが関係は不明。


巍巍園のある場所は観音寺の書院裏でもある。おそらく本来は書院から見るのがメインの庭なのだろう。書院から見ると斜面の上に巨岩があるのが見えるそうだが、書院に入れない一般客からは見えにくい。この巨岩を須弥山とみなす説が存在する(後述の浅野氏、長岡氏の本)。


【歴史・年代】

現在のような姿になったのは昭和時代だが、前身となった庭は室町時代のもので、足利尊氏の息子・道尊の作庭だと伝わっている。昭和初期に大改修が行われ、雑木を整理し、斜面に回遊路を設け、茶亭を造るなどした。しかし昭和51年(1976年)の台風による水害で茶室を失うなどの大被害を受けた。写真を見ると、刈込の印象も水害の前と後でかなり変わっている。水害前にはウバメガシの直線的な刈込が斜面を稲妻型に走っていたが、この刈込は現存しない。(長岡氏の本参照)


【参考図書】

『中国・四国の庭』 山陽新聞社 (1970)

『讃岐の庭園』 浅野二郎 (1976)

『讃岐の名園紀行』 長岡 公 (1987)


ちなみに巍巍園の「巍」とは山が高い、大きいなどの意味。

【余談】

寺の名前は観音寺(かんのんじ)だが、寺がある町は観音寺(かんおんじ)市なのでややこしい。

【基本情報】

・施設の性格:仏教寺院

・庭の性格:主に書院から見る庭(書院にとっての環境)

・所在地: 〒768-0061 香川県観音寺市八幡町1丁目2?

・アクセス:

高松自動車道 大野原インターチェンジから5.2km

JR予讃線 観音寺駅から1.6km (タクシーで5分程度)

・公開状況:公開(無料)



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