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詩仙堂庭園

更新日:2月18日

<引退後、趣味に生きる>

【詩仙堂を建てた人:石川丈山】

詩仙堂(しせんどう)を建てた石川丈山は安土桃山時代から江戸時代にかけての武士、文人。江戸時代初期の代表的な漢詩人。

徳川家康に仕え大坂夏の陣にも参加した武士だったが、訳あって早く引退し、引退後の住居として洛北の一乗寺村に建てた家が詩仙堂。丈山は90歳で亡くなるまでここで詩歌三昧の暮らしをした。


【詩仙堂について】

本来は凹凸窠 (おうとつか:でこぼこの土地に建てた家)という名前なのだが、中国の詩家36人の肖像を掲げた「詩仙の間」にちなんで詩仙堂という名前で呼ばれている。この肖像は狩野探幽が描いたもの。現在は曹洞宗大本山永平寺の末寺になっていて、寺としての名前は丈山寺。


​詩仙堂の建物と庭は山中の傾斜地にあり、また、全体を仏教でいう十境に見立てている。敷地の境界にある「小有洞」という門をくぐり、竹林の間の石段を上る。この辺りのアプローチの雰囲気が良い。

小有洞
小有洞

石段を上がったところに「老梅関」という内門があり、内門を入ると建物がある(建物内は撮影禁止)。

内門
内門

庭は建物の奥、8畳と6畳の書院前にあり、白砂と刈込が美しい。書院前の白砂には入ることはできないが、建物の脇から降りて木のあるところを少し歩いたり、庭から建物を見たりすることができる。

庭園主景
庭園主景
建物外観
建物外観

建物を降りたところから少し進んで坂を下ると、後世にできた下段の庭がある。書院前の庭が枯山水で緊張感があるのに対し、下段の庭は池泉庭で花草もある。いくらかカジュアルな感じ。

下段の庭
下段の庭

詩仙堂は引退後に趣味の生活をするための場所なので、落ち着いているが宗教色は無く趣味的な感じ。この感じはお寺の庭ともセレブの庭とも違う。

【立地と周辺環境】

​京都駅からバスと徒歩で約1時間、白川通(大体市街地の東の端)から少し東に入り山に少しだけ入った静かな立地にある。周辺は民家、寺、神社となっている。修学院離宮や北山モノリスからも割合近い(直線距離で1kmくらい)。







【基本情報】

・施設の性格:公的生活から引退した人物のための静かな住居(現在は寺院)

・庭の性格:住居の環境、家主の趣味を出せる場

・施主:石川丈山

・作庭年代:江戸時代

・所在地

京都府京都市左京区一乗寺門口町27

・アクセス

市バス「一乗寺下り松町」下車 徒歩約7分

・公開状況

通年公開(有料) 5月23日は拝観休止日

【外部サイト】

丈山寺詩仙堂 (公式サイト)



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