建仁寺「○△□乃庭」
更新日:2023年9月3日
[ZENな感じがする中庭]
今回紹介するのは「○△□乃庭」。江戸時代の禅僧 仙厓の残した「○△□」という禅画?がモチーフの禅っぽい庭だ。
【仙厓と「○△□」について】
江戸時代の画僧 仙厓は、もともと絵がうまかったらしい。ピカソがそうだったように、仙厓も若いころは正統的な画法を学び丁寧に描いていた(「釈迦三尊十六羅漢図」を見るとそれが分かる)。しかし後になると仙厓の絵は書き込みが少なく、形は大まかで、線は自由になる。
現在残る仙厓の絵はゆるくてユーモラスなものが多い(あくびする布袋さんとか)。その中に1つ異色で難解なものがある。「○△□」と呼ばれるその絵?は横長(28.4×48.1cm)の紙に墨で3つの図形を描いただけのもので、作品解釈の手掛かりが少なく、いろいろな解釈がされてきた。
この「○△□」をモチーフにした庭が京都 建仁寺にある。ほかに鞆の浦の正法寺にもある。世間的には多分建仁寺の方がずっと有名だが、私は先に鞆の浦の正法寺を知り、そこで「○△□」について知り、調べているうちに建仁寺の庭に行きついた。
【○△□乃庭について】
庭は方丈の北東にある。方丈と庫裏などに囲まれた小さな中庭で長辺が10mないくらいの長方形。平らな土地に白砂を敷き、中央に丸い苔島があって木を一本植え、島を中心に丸い砂紋がある。庭の短辺に近いところに四角い井戸があり、竹で蓋をしている。
庭の傍の柱に「○△□乃庭」というネームプレートがあるので、モチーフが○△□であることはすぐにわかる。ただし△は分かりにくい。仙厓の○△□には複数の解釈があるが、建仁寺のパンフレットには「宇宙の根源的形態」「前週の四大思想(地水火風)を地(□)水(○)火(△)で象徴したものとも言われる」と解説されている。何にしろいかにも禅の感じがする庭だ。
個人的にはこういうシンプルな形、中心のはっきりした形は好き。
【どんな人におすすめ?】
・枯山水、ミニマルな庭、意味ありげな庭が好きな人
【基本情報】
施設の性格: 仏教寺院
庭の性格: 中庭
作庭年代: 現代
アクセス:
京都駅から市バス206系統乗車 清水道 下車 徒歩10分
京阪電車 祇園四条駅 下車 徒歩7分
阪急電車河原町駅 下車 徒歩10分
公開状況:公開(有料)
(2023年1月訪問。情報は訪問時のものです)
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