秀禅寺客殿の庭
更新日:2023年2月26日
[骨格からして直線の庭](未訪問)
庭の多様性をテーマに掲げているサイトとしてぜひ紹介したい庭がある。その庭は秀禅寺 (しゅうぜんじ) という曹洞宗寺院にあるが、自分もそこに行ったことはない。秀禅寺の庭についての情報は、googleマップの写真数枚と、『伊予路の庭園』 (愛媛文化双書刊行会 1996) の記述数ページしかない。
『伊予路の庭園』によればその庭は直線的なひな壇形式の庭だという。客殿から見るとまずすぐ前に池があり、池の向こうの斜面が、左側3段右側4段の石垣になっている。一番下の段つまり池から立ち上がる段は、左が高く右が低く、右の方が手前の池に出ている。こういった左右の違いからすると、ひな壇も含めて庭のデザインだと考えられる。日本庭園でも局所的に直線があることは案外多いのだが、全体の骨格が直線的なのは珍しい。
『伊予路の庭園』をソースに庭の配置をもう少し説明する。
池の中央に石橋があり、その先は斜面を登る石段がある(この石段を境に左右が分かれている)。中央に祠があると書かれているが、石段やひな壇との位置関係はよくわからない(下の図は想像)。祠のあたりから清水が染み出し、山水利用の小流れを中央に設け、まっすぐに下の池に落とし込んでいる。ひな壇の各段に刈込があるほか、立木が5本だけある。以上が全体配置になる。
以上のうち、直線的な石垣であることや、池から石垣が立ち上がる部分の形はgoogleマップの写真で確認できる。また、向かって左の壇に生け込み灯篭が見える。木の様子と、上の方の壇の様子はよくわからない。2022年7月時点で最も新しい写真は2021年にオーナーが提供したものである。
秀禅寺について私が知っていることはこれくらいしかない。だがここに書いたことだけでも、日本庭園の通念に挑戦するような庭だ。なので少しでも早く書いておきたかった。
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