庭園意匠: 境界とへり
更新日:4月1日
通路部分とそれ以外など、庭園内にはさまざまな境界があります。
そのような境界のなかから気の向いたものをピックアップしてみました。
【境界ピックアップ】
・通路とそれ以外(植栽など)
慈照寺庭園では通路と通行不可の部分がはっきりと区別されています。
桂離宮のアプローチ空間でも通路とそれ以外は区別されていますが、境界線が多重になっているのが特徴。具体的には「敷石の端のライン」「立木が並んだライン」「生垣のライン」です。
境界が多重になった分、ひとつひとつの境界は弱く柔らかくなっています。
真光寺(愛媛県)の前庭では人が通行する部分だけを石敷きにし、その縁を黒く縁取って強調しています。
由志園(島根県)では通路の脇に低い垣を設けています。物理的に出入りを止めることはできませんが、心理的な境界とするものです。
・陸地と池、川の境界
・色、模様の境界
東福寺龍吟庵庭園では白い砂利と黒い砂利が混じらないよう境を造っていますが、これが輪郭を強調しているようにも見えます。
Naoshima Plan 「水」には2種類の境界があります。1つはコケと白砂の境界、もう1つは水と陸の境界です。
コケと白砂の境界は色の違いがはっきりしていて、きつめの境界。。水と陸との境界は、ゆるい傾斜の砂地で柔らかい境界です。
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