円通寺(岡山県)庭園
更新日:2023年3月4日
<丸く盛り上がった花崗岩>子供のころ祖母が良寛さんの話をよくしてくれた。良寛さんは江戸時代の禅僧で、書家、歌人、漢詩人でもあるのだが、手毬やかくれんぼで子供たちと遊んだエピソードで親しまれている。
その良寛さんが若いころに修業したお寺に岡山県指定名勝のお庭があるというので行ってみた。名前を円通寺(えんつうじ)と言い、曹洞宗の寺院。場所は岡山県倉敷市玉島地域で、以前紹介した西爽亭から2㎞ほどの丘の上にある。寺を含む一帯は円通寺公園として整備されている。
【庭園について】
庭園は駐車場から本堂に向かう途中にある。自然の傾斜と露出した岩をベースに、石、岩を加えている。岩の間にサツキなどが少々植えられているが、一見して目立つのはやはり岩。その中でも特に丸っこく盛り上がった岩(亀島らしい)が面白いと思った。石は花崗岩が多い。徳島の庭が緑泥片岩中心なのと比べると地域による違い(地質の影響)が見て取れる。
作庭の記録が無く年代ははっきりしないが、住職の話として「23代から25代の住職が熱心に庭づくりに励んだと聞いている」と『岡山の名庭』には書いてある。23代目が江戸時代末期に当たるそうだ。
【圓通寺について】
岡山県指定名勝及び岡山県指定史跡。前述の良寛さんが20歳の時から20年間この寺で修行をしていた。良寛をしのぶ茶会が毎年行われている。4つの流派が集まる大きな茶会で、有料・要予約にもかかわらずコロナ禍前には約2000人が参加していた。
円通寺の変わった点として本堂が茅葺ということがある。お寺と言えば普通は瓦葺であり、なぜ茅葺なのかはよくわからない。
【基本情報】
・施設の性格:仏教寺院
・庭の性格:通路脇の修景
・作庭時期:江戸時代~明治時代?
・作庭者:圓通寺代々住職?
・アクセス
(公共交通機関利用)
新倉敷駅からバスに乗り「玉島中央町」で下車後徒歩20分余り
(車利用)
山陽自動車道玉島ICから約15分
山陽自動車道鴨方ICから約20分
瀬戸中央自動車道水島ICから約30分
駐車場有
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