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耕三寺(2) 聴聲閣の華美な贅沢

更新日:1月13日

[耕三寺の原点]

「未来心の丘」で有名な耕三寺にある聴聲閣(ちょうせいかく)は、耕三寺の原点とも言える建物です。国登録有形文化財。


【聴聲閣について】

聴聲閣は耕三寺の建立者である耕三寺耕三(出生名:金本福三)が母親のために建てた住居 (1927年着手) です。母親が1934年に亡くなった後、既存の聴聲閣に隣接する形で耕三寺が造られたので、聴聲閣は耕三寺の原点ともいえる。

その建物は日本家屋と洋館(応接室)をつないだものですが「洋館と和館を並立させる昭和初期の大規模住宅建築の特徴をよく伝える」「洋館,和館玄関,老人室など各所に意匠を凝らす」 (文化遺産オンラインより) と評されています。

洋館部分には車寄せと玄関があり、前庭から直接応接間へ入ることができます。日本家屋の部分にも客用玄関と和風応接間(大広間と呼ぶ十畳の座敷)があるので、接客ゾーンが2つあることになります。

これらの部屋も豪華なものですが、最も豪華なのが母のための居間。居間の天井は「折上格天井(おりあげごうてんじょう)」という、将軍家や大名家で使われた格式の高い形式を採用。天井と襖には帝展(当時の最も権威ある美術展)入選画家が絵を描いています。

現在聴聲閣は耕三寺の敷地に取り込まれる形になっていて、見学に際しては耕三寺の入場用+聴聲閣の見学料が必要です。見学時には土間の裏口から入ります。


【庭について】

表側、裏側、建物の隙間と、庭園は大まかに分けて3カ所にあります。

表庭には居間と、洋風の応接室が、裏庭には和風の応接間と仏間が面しています。中庭は居間と浴室棟の間にあります。庭には接客空間を飾る意味もあるというのは度々書いてきたことだが、聴聲閣は大広間が裏にあるので玄関周辺と大広間周辺と2か所に庭が必要だったのでしょうか。

庭に出ることはできず、建物から見ることになります。裏口から入る関係上、本来は最初に見るはずの表庭を見るのが後になります。また、表庭を正門側から見ることもできません。ここはちょっと残念だったところです。


【どんな人におすすめ?】

・ゴージャスな和風豪邸が好きな人

・昭和初期の住宅建築に興味がある人

・しまなみ海道、生口島で、立ち寄るべき場所を探している人


【基本情報】

施設の性格:住宅。現在は耕三寺の敷地となってている

庭の性格: 迎賓の庭、通風・採光のための中庭、など

作庭年代:昭和時代

アクセス:

JR尾道駅からバスで約1時間「耕三寺 」バス停下車

生口島南IC、生口島北ICから車で10分余り

公開状況:公開(耕三寺の入場料+聴聲閣の見学料が必要)

(2022年8月訪問。情報は訪問時のものです)



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