現代の庭園 トピックス
更新日:10月19日
【施主】
・多様な施主
お寺や王侯貴族だけではなく、ホテルやレストラン、美術館など様々な団体が庭園を造っています。
【理念、思想】
・人文景観への関心
自然の景観だけでなく、棚田など、人が作った風景が庭のモチーフとして取り入れられています。
・郷土愛
地元産の石を使用する、地元の歴史や風物をモチーフにするなど、地元愛のある庭園が造られています。
例えば島根県の大根島にある由志園では溶岩が使われています。溶岩は庭石として一般に好まれるものではありませんが、大根島が溶岩の島であるということをつたえるためにわざとこうしているのです。
・SDGs、環境への関心
-環境負荷の少ない工法
-地元産の石を使用
環境負荷を少なくするという意味でも、地元産の石を使う例があります。写真の三景園(広島県)では、
広島県産の花崗岩を使用しています。
-その土地本来の植生を再現、都市の再緑化
・修景
-工事による景観破壊を修復
-庭園砂防
自由な象徴主義
-山水がモチーフ→自由なモチーフ
古典枯山水が山や海をモチーフにするのに対して、現代枯山水が表現するものは自由で多様です。
転換点となったのは1939年完成に完成した東福寺本坊庭園。北斗七星、天の川、市松模様などをモチーフとして取り入れています。
その後も山水以外のモチーフ、例えば寺の縁起、高僧の事績、禅画などを取り入れた庭園が造られました。写真は広島県の鞆の浦にある正法寺の庭園で、「○△□」という禅画をモチーフにしています。
-芸術家による造形重視の庭園とコンセプト庭園
彫刻家などの芸術家が最初から作品として庭園をデザインする例もあります。
【技術】
・大規模造園
重機が利用できるようになったことで、これまでにない巨石の使用や、盛土による大規模な地形造成が可能になりました。
地形造成に加えて水インフラも整備されたことで、水量の多い大滝が可能になりました。
・近現代建築との調和
近現代の建築にあわせて日本庭園を解釈しなおす取り組みもありました。その初期の例は香川県庁舎の南庭に見ることができます。
1966年に開館した京都国際会館では、建築と統一感のある庭園デザインが取り入れられています。
建物との一体の設計
・新しい維持管理技術(自動潅水、遠隔モニタリングなど)
・ヒューマンスケールな空間
・雨水管理の機能を持った庭園
【運用】
・イベントやアクティビティの充実
・演出の充実
・収益化の努力
・案内の多言語化
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