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庚申庵史跡庭園(フジの季節)

更新日:2023年10月9日

庚申庵史跡庭園(こうしんあんしせきていえん)には樹齢200年の大きなフジが1本あり、花の時期には見物客でにぎわう。


ここは江戸時代の俳人栗田樗堂(くりたちょどう)が1800年(寛政12年)に建てた草庵だ。現在樗堂の名はほとんど知られていないが、当時は俳人仲間の間で全国的に知られていた。「俳諧人番付」という当時のランキングでは前頭五枚目に挙げられている(百数十人の名前が挙げられている中で上から11番目)。俳人たちの名前が5段に書かれている中で樗堂の名は最上段に大きめの文字で書かれている。ちなみに同じ番付表の下の方には売り出し中だった小林一茶の名前も小さく載っている。

庚申庵に話を戻すと、草庵の南側にはささやかな池庭がある。大きくはないが、これくらいの感じがヒューマンスケールで落ち着く。建物の軒先から池の上に掛けて藤棚が造られている。すでに書いたようにこのフジは樹齢200年とされるので、庵ができたのとあまり変わらない頃に植えられたことになる。樗堂の頃にはこのフジは小さなものだっただろうが、現在は大きく育ち、花房は長く立派で、根元のあたりはねじくれた感じになっている。フジ以外にボタンが数本とツツジ数株が咲いていた。

私が訪問したのは平日の昼間だったが、天気が良かったこともあり10人以上の見物客が来ていてた。2019年までは藤祭りとして茶席が設けられ、ミニコンサートも行われていたそうだが、2020~2022年はイベントなし。ただフジの花だけが例年通り。

2022年4月訪問(2度目)

【基本情報】

・施設の性格:住宅

・施主:栗田樗堂

・作庭時期:江戸時代

・アクセス:

JR予讃線松山駅から徒歩10分

駐車場なし。周辺にコインパーキング等あり

・公開状況:通年公開(無料)

水曜定休。樹木保全のための臨時休園あり

建物は有料で貸切利用することができる

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