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旧閑谷学校

更新日:2023年10月22日

石塀と軸対象と備前焼と


閑谷学校(しずたにがっこう)は1670年台に開かれた、日本初の庶民のための公立学校。特別史跡。敷地内のほとんどの建物が、国宝・重要文化財に指定されている。学校に宿舎、聖廟(孔子をまつる)、神社(創設者を祀る)が付属していたが、宿舎以外は現存している。宿舎の建物は現存しないが、明治時代に宿舎跡に建てられた学校があり、その校舎は登録有形文化財に指定されている。


閑谷学校は名前の通り谷にある。小さな無人駅で電車を降り、8人乗り市営バスに乗り換える。住宅街を数分間走って谷に入り、さらに数分間走って、合計10分程度で閑谷学校の駐車場に着く。そこは谷の突き当りが少し広がった場所で、周囲を山に囲まれ、俗世を離れた感じがある。この辺りはもともと「木谷」という地名だったが、学校が造られる際に「閑谷」といういかにも閑寂な雰囲気の名前に改められた。


【配置と景観】

景観の特徴の1つは軸線のはっきりした配置だ。

正門前の直線の路を門に向かって歩くと、正門の向こうに聖廟の門と石段、建物が見える。この正門→聖廟の門→聖廟という軸が閑谷学校の中心軸で、その左右に楷(かい)の木が一本ずつ、対称に植えられている。

学校の周りは石塀で囲まれているが、この石塀がまた面白い。上部が丸くなった「かまぼこ型」と形容される石塀で、丸みを帯びた造形も、表面のパッチワークのような模様も面白い。中村好文氏が著書で「石塀に会いに行く」として取り上げている。


【基本情報】

・施設の性格:公立学校。現在は史跡として保存

・作庭時期:江戸時代

・設計総監督:津田永忠

・公開状況:公開(有料)

・アクセス:

JR山陽本線吉永駅下車、タクシーで約10分

JR赤穂線備前片上駅下車、タクシーで約15分

※吉永駅、備前片上駅から市営バスもあるが、便数が少ないので時刻表確認が必要

山陽自動車道和気インターから約10分

【外部サイト】


【参考文献】

中村好文 著 『意中の建築』

山陽新聞社編 『中国・四国の庭』



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