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神峯寺庭園はなるほど神の峰だった

更新日:2023年8月5日

四国霊場27番札所 神峯寺(こうのみねじ)は山の険しい急斜面の上にあります。

最寄り駅の唐浜あたりを起点として、直線距離で2.5km、歩き遍路の路で3km、自動車が通れる道で4㎞。この距離に対して標高差が430mもあり、平均勾配が10%を越えています。

歩き遍路もきついですが、路が狭くカーブが多いため車遍路の難所とされます。下手するとカーブかつ急傾斜の場所で、離合のためにバックしなければいけません


この庭はしばらく気になっていたのですが、徒歩でも車でもきつそうなため慎重になっていました。今回ようやく行くことができましたが、急勾配の細道を通った末に到達した寺は、俗世を後に置いてきた感じがしました。


【庭について】

傾斜の話を長々としたのには理由があって、実は庭も急斜面にあります。山道を登ってきた巡礼等は最後にダメ押しで本堂に続く急な石段を登ることになりますが、この階段の脇が庭園です

神峯寺本堂前の斜面
神峯寺本堂前の斜面

庭園は急斜面を刈込と石で埋め尽くしているので、下から見ると土は見えなません。刈込は形が多彩で面白く、石段に沿って長い直線の刈込があり、別のところにはドーム状、ドーナツ形、不定形の刈込があります。刈り込みの間からは石が顔をのぞかせ、石だらけの庭ではありませんが対比で石も引き立ちます。

斜面を刈込と石で埋め尽くす
斜面を刈込と石で埋め尽くす

多彩な刈込
多彩な刈込

石段という形で直線が庭園を大胆に貫いている点も個人的ポイント。直線が入ると見た目が引き締まってよいのですが、奇をてらった感や無理にねじ込んだ感がしても困ります。その点石段ならば、園内を大胆に貫いていても全く違和感がありません。


神峯寺庭園と石段
神峯寺庭園と石段

神峯寺庭園と石段
神峯寺庭園と石段

神峯寺庭園と石段
神峯寺庭園と石段

この庭園を現在のように整備したのは、1975年に着任した南寛彦 (みなみかんげん) 住職。協力者と共に自ら重機を運転して造ったという。同住職は車道・駐車場整備、本堂・大師堂の整備も行っていて、非常に精力的な人物と思われる。


【神峯寺について】

竹林山 地蔵院 神峯寺(ちくりんざんじぞういんこうのみねじ)は四国八十八箇所霊場二十七番札所。真言宗豊山派。神峰山の南斜面の中腹(430m付近)にある。鐘楼の裏に涌く石清水は土佐の名水として知られる。また、幕末に岩崎弥太郎の母が息子の出世を願って願掛けに通った逸話でも知られる。


【どんな人におすすめ?】

・八十八箇所霊場巡りをする人

・斜面が好きな人

・刈込が好きな人


【基本情報】

施設の性格: 仏教寺院

庭の性格: 参道の景観

作庭年代:現代

アクセス:

土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「唐浜」駅下車 徒歩約1時間20分

多分駅前にタクシーはいないので注意

高知自動車道「南国」ICから車で約1時間

高知市から車で約100分

駐車場は有料

公開状況:公開 (志納)


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