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今治国際ホテル庭園「瀑松庭」

更新日:1月1日

【前説】

「瀑松庭」は枡野俊明作、愛媛県今治市にある、今治国際ホテルの庭園。

「瀑松庭」のある今治市はタオルの製造や造船業が盛ん。国内最大手の造船会社「今治造船」もある。今治国際ホテルを運営しているのも、今治造船の子会社だ。今治国際ホテルは駅から徒歩10分のところにある高層のシティホテルで、地上23階(高さ101.7m)の建物は今治のランドマークとなっている。


【庭園について】

庭園(瀑松庭)があるのは本館の裏。ラウンジやレストラン、離れに囲まれている。

ホテルに入ると正面奥にラウンジがあり、ラウンジの向こうに、大きな窓を通して庭が見えている。ラウンジに入って窓際の席に座ると、窓のすぐそばにあるのは白砂の庭。その向こうにカエデ(モミジ?)などの植えられた池泉庭がある。ラウンジから見て庭の右には日本料理店「伊予路」が、庭の奥には「伊予路」の離れ座敷「松泉亭」がある。松泉亭の前にはクロマツの木があり、「瀑松庭」の名の由来となっている。庭は日本料理店やフランス料理店(ラウンジの隣にある)からも見えるが、個人的にはラウンジから見るのがおすすめ。庭の向こうに離れが見えるのが良い感じなので。

さて「瀑松庭」の「瀑」の方だがこれは池泉庭の部分に滝がある。面白いのは、この滝は地上の高さから地下へ落ちる滝だということ。つまり地上1階のラウンジや日本料理店から 見えるのは滝の上端だけ。全体を見るには地下1階の中国料理店に入る必要がある。

地下一階の中国料理店「龍宮」で窓際の席に座れば、窓の外、すぐ目の前が滝と滝つぼになっている。滝は2つあり、それぞれが2段の滝になっている。向かって右の滝の下段では岩がえぐれた形で、水が岩から離れて落ちるようになっている。左の滝の下段は岩を伝い流れるようになっている。残念なことに窓の汚れと光の加減の相乗効果で写真はほとんど失敗した。なので写真は右の滝のものしかない。


【感想】

私は庭の地形に興味があったり設計上の工夫を面白がったりするので、この「瀑松庭」はとても面白かった。地面の高さから地下に落ちる滝というのはあまりなくて、たぶん新しい工夫なのだと思う。そういうのが面白い。そういった創作性だとか作家の個性(枡野さんだったら横長の石とか)が感じられる一方で、ホテルの飾りとしてもちゃんと機能している。

以前から注目していた庭園なのだけれど、なんやかんやで後にしているうちに、「おにわさん」が先に掲載してしまった。別に何の競争でもないからいいはずなんだけどなんか悔しい。


【基本情報】

・施設の性格:ホテル

・庭の性格:カフェ、レストランから見える風景。離れへの通路

・作庭家:枡野俊明

・作庭時期:現代

・公開状況:利用者向け

・アクセス:

JR予讃線「今治駅」から徒歩約10分

【外部サイト】



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