圓通寺庭園(京都市)
更新日:3月6日
【圓通寺について】
大悲山圓通寺(えんつうじ)は臨済宗の仏教寺院。もともとこの場所にあったのは後水尾上皇の山荘(幡枝御殿)で、上皇は比叡山の眺めが最も優れた場所を探してこの場所を選んだとされる。その後1678年に寺になり、皇室の祈願所となった。
他の観光地や商業地からやや離れており、バスの便も少ない。そのためか観光客も少なめで閑静。
【庭園について】
庭園は借景庭園の例としてよく挙げられる。借景の比叡山は約6kmの距離にあり、
庭は東向きの部屋の前にあり、建物と生け垣で囲まれた平らな長方形。
一面が苔でおおわれ、向かって左側に低い石組がある。石組が左に偏っているのは比叡山とバランスをとるためともいわれる。
その向こうには生垣、杉木立があり、比叡山の姿を切り取るフレームとなっている。庭と比叡山の間にあるものが生垣で隠されているため遠近感がうやむやになり、6km先にある比叡山が近くにある絵のように見える。
このように園内の景色、借景対象、フレーム、フレームの効果がはっきりしているのが、借景庭園を語る時によく例に挙げられる理由の1つだろう。
園内の景色:苔、石組
借景対象:比叡山
フレーム:生垣、杉木立
フレームの効果:中間地帯を隠すことで、遠近感をうやむやにする
(2018年10月)
【基本情報】
・施設の性格:離宮、のち仏教寺院
・所在地:
〒606-0015 京都府京都市左京区岩倉幡枝町389
・アクセス:
京都バス「自動車教習所前」下車、徒歩10分
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