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福武トレス2 雑木の庭と森に溶ける建築

  • 執筆者の写真: Masahiko Yano
    Masahiko Yano
  • 5月10日
  • 読了時間: 3分

岡山の文化水準は侮れません。

2025年で6回目となる瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)も、岡山発のプロジェクトでした。

瀬戸芸をプロデュースした福武總一郎氏の妹、福武美津子氏による福武トレスもまた、興味深い物があります。


【福武トレスについて】

福武トレスは岡山市半田山の中腹にある文化施設。

福武書店(現:ベネッセコーポレーション)の迎賓館をベースにし、

時代や目的の違う3つの施設が雑木の庭に囲まれて共存する構成となっています。

3つの施設とは

元からある迎賓館で数寄屋風建築の「Fサロン」、

新築の展示施設で近未来的な「Fギャラリー」、

イベントスペースである「F スタジオ」。

この中から今回はFギャラリーをご紹介します。

【福武トレス Fギャラリー 雑木の庭と森に溶ける建築】

Fギャラリーは福武書店の創業者福武哲彦氏が収集した美術品・愛用品を陳列する施設です。Fギャラリーが掲載された雑誌などの資料も展示されています。


TNAが設計したこの建物は「森に溶ける建築」がコンセプト。壁が無く全面ガラス張りで、屋根を支える柱は358本(それ以外に、配線を収納するフェイクの柱が4本あります)。すべての柱は38㎜という極細で、周辺の若木に近い太さです。

fギャラリー 外観と庭
fギャラリー 外観と庭

ギャラリーを囲む庭は秋元通明氏の作庭。

秋元氏は福武書店迎賓館(現在のFサロン)の庭を造った小形研三氏の弟子で、ギャラリー周辺の庭をFサロンからシームレスにつながるよう作庭しました。建物が開放的なため、庭と一体感があり、展示物も庭の中に展示されているかのようです。

fギャラリー 展示物
fギャラリー 展示物

庭の植物は建物の床下にまで入り込み、一体感を演出しています。

fギャラリー 床下
fギャラリー 床下

建物の一部は壁の無い通路で、庭との境界はあいまいです。

fギャラリーの通路と庭園
fギャラリーの通路と庭園

公開前の2023年から一部で注目され、2024年には「みんなの建築大賞2024」にノミネートされました。見学ツアーでは、建築を学ぶ大学生が解説にあたります。

なお、予約時にカフェを頼んでいた場合はこの建物でいただきます。

fギャラリー カフェ
fギャラリー カフェ

【おすすめ/おすすめでない】

・心地よい空間

・雑木の庭が好きな人におすすめ

・建築にも関心のある人にはさらにおすすめ。建築好きの友達を誘ってもよい。

・段差、高低差があり、脚の悪い人にはすすめられない。

・全面ガラスのため、ドア横の壁を見落としがちでぶつかりそうになる。


【基本情報】

施設の性格:プライベートな迎賓、文化施設。

庭の性格:施設の環境

作庭年代:現代

作庭家:小形研三(オリジナル)、秋元通明と荻野景観設計(修復、拡張)

施設:カフェ(予約制。Fギャラリー)、トイレ(FサロンとFギャラリーに1つずつ)、駐車場数台分

公開状況:プライベート施設だが、日によって有料公開。予約制。予約はhttps://fukutaketres.com/#guide

から


【Learn More】

福武トレス公式

2024 グッドデザイン・ベスト100 文化施設



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