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玄宮園・楽々園

更新日:2023年12月2日

【玄宮園・楽々園の概要】

滋賀県彦根市にある玄宮園・楽々園は江戸時代に造られた池泉回遊式の大名庭園です。彦根城内の北部にあり、もともと一続きの庭ですが、現在では池泉回遊式庭園の部分を玄宮園(げんきゅうえん)、御殿とその前の枯山水を楽々園(らくらくえん)と呼んでいます。1951年、国の名勝に指定されました。

現存12天守の1つ彦根城天守を背景にした景観がライトファンにも好評であるほか、石組を高評価するマニアもいます。

玄宮園
玄宮園

楽々園
楽々園

【地形と路】

1つの池を中心とした庭園で、池を1周するのと中島に渡るのがメインルートになります。

池の周りのメインルートは明るく、池がずっと見えています。

池の東岸と通路
池の東岸と通路

一応わざと横道に入れば薄暗い森の路もあります。

東部の林の中
東部の林の中

ただし、江戸時代には園の外周にあった建物がなくなっているので、外の方に行く動機が弱くなっています。


高低差はせいぜい2、3mという印象ですが、道が真っ平らではなく微妙に起伏をつけているのはよい感じです。路面の様子にも、土、細かい砂利、荒い石畳と変化をつけています。


島が3つあり、橋が、渡れないものを含め9つあります。オーソドックスな欄干付きの木橋が中心で、反り加減やディティールなど少しずつ形が違います。


その中で個人的に気になったのがこの橋です。この場所は飛梁渓とよばれ、橋の下は渓流に見立てるとともに通路になっているように見えます。つまり立体交差です。東京の旧芝離宮恩賜庭園にも枯れ流れの川床が通路になっている路があるのを思い出します。

飛梁渓
飛梁渓

【かつて存在した設備、施設】

水田、船蔵跡、馬場跡などがあり、見るだけでなく使う庭園だったことがわかります。城の堀に降りる石段があるので、堀でも舟遊びをしたのかもしれません。

煎茶室
煎茶室

南東部に復元された水田
南東部に復元された水田

【評価と評判】

庭園研究者で作庭家の重森三玲は玄宮園をかなり高く評価し、石組の造形美や地割(平面設計)に注目して

「…それらの四公園と比較するとやや小規模ではあるが、正しい鑑賞の立場からその庭園の芸術性に立脚すれば、むしろこの玄宮園が第一に入るほどの価値をもっている」と書いています。

一般的な評判もかなり高く、石組に注目するマニアがいる一方、彦根城の借景や植栽も好評であるなど、マニア以外にも好評。現代的な建物が見えない点も高評価ポイントです。

​否定的な口コミとしては、でこぼこした延段が高齢者や足の悪い人に不評です(ただしこれはほかの大名庭園にも共通です)。また、広い庭園に慣れていると思われる人からの低評価もありました。


【訪問時の注意】

玄宮園内にトイレや売店は無いので注意

【基本情報】

・施設の性格:彦根藩井伊家別邸

・庭の性格:遊興、饗応、鍛錬など多目的に用いられる庭

・作庭時期:江戸時代

・アクセス

JR彦根駅から徒歩15分

・公開状況:公開(有料)

(2019年8月訪問。情報は訪問時のものです)


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