法然院ガラス枯山水「つながる」
更新日:2023年9月3日
[アートとガラスと枯山水]
庭の方向性を乱暴に分ければ、楽しいもの、落ち着くもの、アート的なものがあります。枯山水はその中だとおおむねアート系のイメージ。ならば伝統的様式の枯山水ばかりではなく、もっと作家の主張や時代性の出たものがあってもよいのではないかと思います。というわけで法然院のガラスアート枯山水を紹介しましょう
【法然院と立地について】
法然院は京都市左京区鹿ケ谷にある浄土宗系の寺院。
哲学の道から法然院橋というところで白川疎水を渡り、閑静な住宅地を東に150mほど進むとT字路に突き当たります。T字路の東にはもはや民家はなく山林になっていますが、その林に入るように東に向かって石段を上り、その後北に向きを変えて木々の間をさらに80m程進めば法然院の山門です
【庭について】
ガラス枯山水は公開されている参道に点在し、普段からだれでも見ることができます。ガラスなので透明感や光沢感が石とは全く違い、日光の当たり方によっては内側から光を発しているようにも見えます。よく見るとガラスを砕いた粒が残っているものや気泡の入っているものもあり、表情も様々
造ったのはガラス造形作家の西中千人(にしなか ゆきと)氏。氏の公式サイトでは作例として紹介され、作者自身による解説も見られるます。それによると造形物の材料はリサイクルガラスであり、作品のコンセプトは「循環する命とつながっていく宇宙」だということです
このほか法然院には中庭(池泉庭)もあるが、通常公開されていません。建物(通常非公開)の特別公開の時に見られるらしいので興味がある人は調べてみてください
【余談】
この辺りには大きな断層帯の一部であり、複数の断層があります。慈照寺と法然院の東に一続きの断層崖、哲学の路あたりにも別の断層崖が見えます
【基本情報】
施設の性格: 仏教寺院
庭の性格: 芸術家による造形作品
作庭年代: 現代
作庭者:西中千人
アクセス: 市バス32系統銀閣寺前行 南田町下車山に向かって徒歩10分
銀閣寺から徒歩10分
南禅寺から哲学の道経由徒歩30分
公開状況:自由観覧
(2023年1月訪問。情報は訪問時のものです)
コメント