倉敷 井上家住宅の庭
更新日:10月20日
【前説】
倉敷美観地区とその周辺には、庭のある民家がいくつもあります。
今回はその中から、美観地区最古の町屋「井上家住宅」の庭を紹介します。
【井上家住宅について】
パンフレットによれば井上家の先祖は16世紀末に倉敷に土着し、周辺の干潟(阿知潟)を干拓した一族。古禄(ころく)と呼ばれる13軒の古参有力者の1軒です。
現在の倉敷は戦国時代までは浅い海で、戦国時代末期になって、浅瀬を埋め立てて街と畑が造られました。ですから井上家は街ができる所から関わったことになります。
井上家住宅は倉敷美観地区の中でも最も古い町家と言われ、現存する唯一の古禄の住宅です。
2002年には国の重要文化財に指定されています。
余談ですが、すでに紹介した大橋家や大原家は、江戸時代中後期に台頭した新禄(しんろく)と呼ばれるグループに属します。
【井上家住宅の庭について】
ここからは井上家の庭について写真メインで説明します。
まず通りに一番近い客間にあるのが、雪見灯籠のある坪庭です。
灯籠が畳のラインの延長上にあることや、塀の柱も畳のラインを中心に対称になっていることに注目。これらは訪問時にスタッフの方に教えていただきました。
接客エリアと居住エリアの間に2つ目の坪庭があります。写真左が茶室で接客エリア。右は寝室や居間につながる住居エリア。橋は当主が茶室に行くためのもののようです。
居住空間だった場所の奥に3つめの坪庭があります。
井上家住宅の庭は以上の3か所です。
【基本情報】
施設の性格:大型町家
庭の性格: 住環境、応接スペースの環境
作庭年代: 江戸時代
アクセス: JR倉敷駅から徒歩13分
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