大橋家住宅で町家の生活と庭を知る
更新日:2月19日
【大橋家について】
大橋家住宅(おおはしけじゅうたく)は岡山県倉敷市に保存されている町家で、主屋など4棟が重用文化財に指定されている。大橋家は水田・塩田開発で財を成した大地主で金融もおこなった。名字帯刀を許され、幕末には庄屋を務めている。
建物は倉敷格子や倉敷窓を持つ典型的な倉敷の町家。ただし普通の町家と違うのは通りに面して長屋門があるところで、これは家格の高さを表している。長屋門を入ると、主屋前のスペースがあり、正面に主屋、右に米蔵が建っている(米蔵は現在展示スペースになっている)。建物に上がって見たところ、家具や調度品も結構残されている。タンスや火鉢など和風のものもあるけれど、椅子や時計は洋風。
【大橋家の庭について】
庭は建物や塀で5つに分かれている。長屋門を入ってすぐの前庭、大座敷前の庭、坪庭が2つ、祠のある庭。このうちいわゆる庭園らしいものは大座敷前の庭。
倉敷の代官が大橋家を訪れるときには (土間や店を通らず) この庭を通って直接座敷に上がったという。
建物に上がって室内や縁側から庭を見ることができ、写真撮影もOK。
【雑談】
受付にいた方にお話をうかがうことができた。非常に頑丈で狂いのない家で、今でも普通に雨戸が開閉できるのだと言う。米俵などを荷車で運び込むため、長屋門の敷居は取り外し可能だったということも教えてもらった。「変わった時計が2つあるので良かったら探してみてください」と言われて、探してみたけれど1つしか見つからなかった。あとで教えてもらうと、私が見落としていてのは香時計。文字盤があるような時計ばかり探していたらそりゃ見つからない。
あと余談だけど、大橋家には高橋由一の絵がある。米蔵の展示物の中に6代目当主の肖像画があるのだが、これが高橋由一作と説明があった。
【基本情報】
・施設の性格:町家
・庭の性格:
前庭-通路及び作業場
座敷前の庭-接客空間(座敷)の美化、および座敷への通路
坪庭2ヵ所-通風採光、および美化
祠のある庭:祭祀スペース
・作庭年代:江戸時代
・所在地:
〒710-0055 岡山県倉敷市阿知3丁目21−31
・アクセス:
JR倉敷駅から徒歩12分
駐車場なし 周辺にコインパーキングあり
・公開状況:公開(有料)
【外部サイト】
【立地と周辺環境】
倉敷美観地区から近い。大原美術館や新渓園へ徒歩で行ける。
現在、大橋家周辺はホテル、商店、コインパーキングなどとなっている。
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