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大原家本邸で倉敷の名家を学ぶ

更新日:2月29日

【大原家住宅について】

大原家住宅(おおはらけじゅうたく)は大原美術館で有名な大原家の本邸で、江戸時代後期の主屋や江戸時代末期の蔵など10棟が重用文化財に指定されている。倉敷美観地区の、大原美術館向かい、倉敷川沿いにあり、美観地区を訪れたことがある人なら知らないうちに目にしているはず。2018年4月から「語らい座 大原本邸」として公開されていて、大原家に関する展示があったり、蔵を利用したブックカフェがあったりする。「語らい座」という名前には、人づくりの触媒(カタライザー)になろうという意味が込められているのだとか。

建物に入ると土間にいきなり大原家歴代の言葉が天井から下がっていたり、白いキューブを積み上げて形で立体人物相関図があったりとアート的な展示が迎えてくれる。それから蔵がいくつも並ぶ、敷地内なのに街のようなスペース(ここの蔵に展示やブックスペースがある)を通り、離れ座敷にあがる。庭は離れ座敷の前にある。公式サイトには「孫三郎(注:大原家7代目)が自ら作庭に関わった」としか書かれていないが、小川治兵衛が造った庭だという。庭木は主にマツとモミジで、青椛が美しい。低木も少しだけある。

800円払って抹茶を注文し、お茶を出してくれた方とお話しさせていただく。大原總一郎(註:8代目)は音楽好きでレコード鑑賞をしながらお庭を愛でていたとか、釘隠しの千鳥(ふっくらしてかわいい)は一つ一つデザインが違うとか、離れ座敷前の手水鉢が四方仏であるとか。ここは倉敷のメインストリートに近いが広さと木々のため喧騒があまり届かない。落ち着いた雰囲気の中でお話しさせていただいて、なかなか有意義な訪問だった。

​付近にはほかにも新渓園(大原家別邸庭園)や大橋家住宅の庭がある。倉敷物語館にも一応日本庭園がある。1日で何カ所も回れるという点でも倉敷はおすすめ。次の庭まで徒歩5分とか10分なので、4カ所廻ってもあわただしくならない。

2021年4月

【立地と周辺環境】

倉敷美観地区内(美観地区入口近く。大原美術館向かい)

【メモ】

​11代小川治兵衛や12代(予定)小川治兵衛のサイトでは、9代目小川治兵衛が「大原孫三郎邸」の庭を作庭したとなっていて、この「大原孫三郎邸」がどこなのか気になる。



大原家住宅の庭
大原家住宅の庭

大原家住宅の庭
大原家住宅の庭
内門
内門
茶室
茶室

大原家住宅外観
大原家住宅外観


【基本情報】

・施設の性格:町家

・作庭年代:明治時代

・作庭家:小川治兵衛、大原孫三郎

・所在地:

〒710-0046岡山県倉敷市中央一丁目2番1号

・アクセス:

​JR倉敷駅から徒歩15分

【外部サイト】

語らい座 大原本邸 (公式サイト)



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