小石川後楽園の路
- Masahiko Yano
- 8月7日
- 読了時間: 3分
【はじめに】
小石川後楽園の路について紹介したいと思います。
「池泉回遊式庭園」という用語にもかかわらず、実は回遊に力を入れている庭園はそれ程多くありません。その中で小石川後楽園は、比較的歩くことを意識した設計になっています。
路に起伏があったりまとまった長さの延段があったりするからです。
というわけで、2020年と2024年に訪問した際の写真と記憶をもとに、小石川後楽園の路を紹介します。
【比較用:普通の路】
まず比較用に何の変哲もないも無い園路を見ておきましょう。
写真は小石川後楽園東部にある池沿いの園路です。

このような土の路や砂利の路が、小石川後楽園を含む旧大名庭園では主流です。
【見どころ1:唐門前から木曽山】
ここからは特徴ある園路について紹介します。
小石川後楽園で路の面白い場所の第一は、南東部の唐門周辺から池の南「木曽山」にかけてのエリアです。この付近には大小の石を組み合わせた石の舗装があります。

南東部にある「内庭」(写真左側)はお屋敷内のプライベート空間で、接待を行う「後楽園」(写真右側)とは塀で区切られていました。2つの庭をつなぐのが写真の唐門で、2020年に復元されています。予算の都合により、塀は門の横だけの復元です。世知辛いですね。
江戸時代にはこの唐門が正式な入口で、屋敷→内庭→唐門という経路で後楽園に入ったと考えられています。
唐門を入って西へ進むと、木の多い場所があります。ここの路も大小の石で舗装されています。路は曲がりくねり、道脇の山もあって視界が狭いのが特徴です。


マップによると路から数メートルに池があるはずですが、盛土の山があるために池は見えません。
延段、屈曲、見え隠れがこのエリアの特徴です。
【見どころ2:西部~北西部の山】
続いてもう1つの見所である、西部~北西部の山を見ておきましょう。
この周辺にも、部分的に石の舗装があります。

傾斜が急なので石段の部分もあります。舗装されていないことが多いですが、野趣があります。

高低差があり、見下ろす風景が楽しめるのもこのエリアの特徴です。

このように円の北西部は起伏のある園路が特徴です。
【まとめ】
・小石川後楽園の園路にはまとまった長さの延段がある。
路面にこだわった大名庭園は少ないので貴重
・園南部の路には延段に加えて屈曲がある。また、池の近くを通るのに池が見えない。
・園北西部の路は起伏があり、石段が多い。部分的に延段がある。
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