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好古園

更新日:2023年5月4日

武家屋敷跡の文化事業

【概要】

兵庫県姫路市にある好古園(こうこえん)は、市制100周年を記念する文化事業として造られた9つの小さな庭の集合体。設計監修は中村一。1992年開園。

ここは武家屋敷の跡で、庭の区画は屋敷の区画に合わせている。各庭園入口には長屋門・屋敷門があり、築地塀と併せて武家屋敷のイメージを出そうとしているようだ。


【9つの庭】

9つの庭は次のとおり。全体的に明るい雰囲気を持ちつつ、伝統からさほど踏み出さないものとなっている。武家屋敷跡であることや姫路城との相乗効果を意識して、歴史的な感じにしたかったのだろう。

1.お屋敷の庭

2.苗の庭

3.茶の庭

4.流れの平庭

5.夏木の庭

6.松の庭

7.花の庭

8.築山池泉の庭

9.竹の庭

以上9つの庭を回る順番は、(手近の門に素直に入るならば)おおよそ決まってしまう。

料金所を過ぎてから道なりに進むと、まずはお屋敷の庭の門がある。この庭は最も大きくゴージャス。塀で囲まれた区画に南北に長い池があり、池の南東と西に瓦葺の建物がある。2つの建物は池南端付近の渡り廊下でつながっている。西の建物からは対岸の滝や姫路城の櫓も見える。

お屋敷の庭につながっているのは苗の庭なので、ほとんどの人が苗の庭に入る。塀で囲まれた区画内に四角い苗床が整然と並んでいる庭。

苗の庭を出ると広い路のような広場のような場所があり、ここからは「茶の庭」か「流れの庭」が近い。

茶の庭は茶室とそこから見える庭だが、ここも明るい庭。茶室では有料でお茶が飲める。

流れの庭は芝生の中を広めの小川が流れる庭。

その流れに沿って進むと垣の向こうに夏木の庭がある。落葉樹の庭で秋には紅葉する。流れの庭から流水がつながっている。

松の庭はアカマツ林をイメージした庭。マツの樹皮をモチーフにした延段がある。夏木の庭から流水がつながっている。

以上、流れの庭、夏木の庭、松の庭、花の庭は塀ではなく垣で仕切られていることと、流水のため一続きの庭と感じる。

花の庭はその通り花の庭。松の庭の南にあり、その境界は塀ではなく垣。

松の庭の門から一旦塀の外に出ると、斜め向かいにあるのが次の庭の門。

築山池泉の庭は大名庭園のミニサイズ版。鶴島亀島があり、築山(低い)もある。

竹の庭は築山池泉の庭の南に区切りなくつながる。竹林のほぼ中央に東屋がある。

【施設・利用】

お屋敷の庭が見えるレストラン「活水軒」で食事をすることができる。また茶の庭にある「双樹庵」では抹茶が提供されている。


【感想】

・いわゆる綺麗な庭。植物を中心としつつ、手を入れた感はある。

・​姫路城は少しだけ見える。

・比較的新しい庭なので木が若く貧弱。これは今後よくなるはずの所。

・塀できっちり区切られているので開放感はあまりない。

・分岐は細かい分岐しかなく、大体決まった路を歩く感じ。ぶらぶら歩きの感覚はあまりない。

【基本情報】

・施設の性格:都市公園

・作庭時期:現代

・公開状況:公開(有料)

【外部サイト】

好古園(公式)



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