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松賀屋(旧塩田邸)の庭

更新日:1月6日

塩田地主の屋敷 再生中[不定期公開][利用も可]


松賀屋こと旧塩田邸は香川県三豊市仁尾町にある築100年以上の古民家で塩田地主の屋敷。40年ほど空き家に成っていて荒れていたが、2010年代に再生が始まり2022年時点でも再生の作業が続いている。下の写真に足場が写っているが、屋根瓦が落ちるのを防ぐ工事のため。再生途上で雑然としているのが、普段見られない舞台裏を見るようで面白かった。


【松賀屋について】

松賀屋がある仁尾町は映えスポットとして有名な父母が浜のある町。かつて1980年代に仁尾太陽博が開かれ、太陽熱発電の実験プラントがあった町でもある。

この辺りは遠浅の浜があり、日照時間も長いので干拓して塩田がつくられていた。中でも松賀屋の主であった塩田忠左衛門は最大の塩田事業家(名前からして、もうね)で四国一の納税者だったという。その屋敷は837坪(大体80m×35m)の広さがあり、通りに面して店舗、その奥に中庭を挟んで主屋、隠居部屋、女中部屋、複数の蔵などが立ち並んでいる。敷地の北部にかつては100畳の迎賓館があり、官僚の接待などに使われていた。

昭和後期から長く空き家となり放置されていたが、2014年から再生が始まった。現在は貸しスペースとして利用できる。また不定期に(月1回くらい)公開され、公開日は公式サイトFacebookで告知される。


【松賀屋の庭】

庭は数か所に中庭がある。前記のように店舗、主屋などがそれぞれ別棟になっているのでそのあいだあいだに中庭があるイメージ。中でも店舗と主屋の間にある中庭は池もあって一番庭園らしい。池の周囲には灯篭や手水鉢などの景物もあり、玉石敷きの場所も見える。池とその周りは現在ビオトープになっていて、メダカなどの水生生物がいる。


【余談】

・塩田忠左衛門が興した「仁尾塩田株式会社」は現在仁尾興産株式会社と名を変え、にがり製造のトップメーカーとなっている

・旧国鉄(後のJR)が香川県に鉄道を作った際仁尾町を通す案があったが、仁尾町長だった塩田忠左衛門の反対で実現しなかったと地元では言われているらしい。

・2021年7月30日放送の「 所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ」では、開かずの金庫を開ける企画で松賀屋を訪問している

・訪問時に話をした管理人の方だが、文部科学省?に提出する資料調べのため国会図書館に行って帰ってきたところだ、と聞いた。文化財登録の話でもあるのだろう、と思った。その後7月22日、有形文化財登録の答申が出たそうだ。


【基本情報】

・施設の性格: 町家

・庭の性格:饗応空間の演出、バッファーゾーン、通風と採光

・作庭時期:大正時代

・公開状況:利用者向け。不定期に(月1回くらい)見学可能

【外部サイト】






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