友禅・光琳リスペクトで装飾的な「友琳の庭」
更新日:1月9日
【友琳の庭について】
岡山県吉備中央町(きびちゅうおうちょう)にある友琳の庭(ゆうりんのにわ)は吉備中央町賀陽庁舎にある。重森三玲について調べ始めてから気になっていた庭で、個人的には重森の庭の中で特に好き。アート志向の庭でもあるが、でもまぁ三玲さんの庭の中ではぱっと見もきれいだと思う。
重森三玲の庭としては少数派の池泉庭で、池には石?でゼンマイのような模様があり、池の底にも色を使って模様が描かれている。
さらに水を吹き出させて湧き水のような演出をしている。
元々は昭和期に京都の「誂友禅協同組合(のち友琳会館)」の依頼で作られたもの。豊かな色彩や装飾的な模様はそのため。ゼンマイのような模様は「熨斗模様」といい、着物などの装飾に使われるものなので友禅染の組合の庭にふさわしい。
友琳会館が1999年に閉館したので庭も壊されるかと思われたが、重森の故郷である吉備中央町が庭を譲り受けて賀陽庁舎に移設した。
庭は渋いだけが良いのではなくて、何を目指すかによってはカラフルにもデコラティブにもなるものだなぁと私は思った。
「友禅リスペクトならデコラティブにならざるを得ない」
【基本情報】
・施設の性格:経済団体の会館(作庭時)地方庁舎(移設後)
・作庭時期:1969年
・作庭家:重森三玲
・所在地:〒716-1101 岡山県加賀郡吉備中央町豊野1−2
・公開状況:公開(自由観覧)
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