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京極庵「山里の庭」でしっとり落ち着く

更新日:1月6日

[広すぎず狭すぎない空間と、たっぷりの下草]

コロナ禍で遠方に行けない日が続いているので、近場を改めて見直すことになっている。「この近くまで来たことあるのに全然気づかなかったなぁ」「知っているようで知らないものだなぁ」と思うことが多い。今回紹介する京極庵(きょうごくあん)も、割と近場にあるのに、「おにわさん」が取り上げるまで全然知らなかった。


【京極庵について】

京極庵は香川県丸亀市の、現在では駅の裏になっている閑静な住宅街にある。一車線の細い道に面して土蔵があり町家風の門があるが、そこが京極庵だ。

もともとは丸亀藩主・京極家とともに近江から来た出入り商人、前谷家の住宅だった。後に文化施設となり、現在では茶道教室を開いているほか、京極家ゆかりの品や前谷家が集めた茶器、郷土の画家の絵などを展示している。

現在の建物は明治時代に建てられたもので、道路に面して主屋、中庭をはさんで8畳の書院風茶室と2畳台目の草庵風茶室(松濤庵[しょうとうあん])がある。見学順路は主屋1階展示→主屋2階展示→書院風茶室→松濤庵という感じ。


【庭園について】

庭は主屋と茶室の間にある中庭で、「山里の庭」と名付けられている。

母屋の玄関を入ると短い廊下の突き当りに窓があり、窓を額縁として1本のモミジが見えるが、これが庭の主木だ。京極庵の人によると、このモミジは新芽が鮮やかな赤色で、5月ごろに緑色に変わるらしい。

一旦座敷を通り、座敷の縁側に出ると庭の全体像が見える。少しだけ刈込もあるが全体としては山の趣ある庭で、シダやツワブキなどの下草は土が見えないくらいたくさんあり、シダの一部は飛石のヘリにかかっている。訪問した日には午前中に雨が降っていたので、石も植栽もしっとりと濡れていたのが良い感じ。決して大きな庭ではなく、書院茶室と比べた感じだと8畳間2つ分くらいの大きさだが、それがまた良い。巣にこもっているようで落ち着く。


「『おにわさん』というサイトを見てきたんですよ」と京極庵の人に言ったら、京極庵の人も1月に来た「おにわさん」のことをよく覚えていた。多分県外からの訪問者は珍しいのだろう(こういうご時世だと特に)。生活が平常に戻ること、京極庵が繁盛してあの庭と建物も末永く保存できることを願う。

2021年5月訪問



【基本情報】

・所在地

香川県丸亀市西平山町194

・アクセス

JR丸亀駅(駅地下駐車場有)から徒歩約5分

京極庵にも駐車場有

・公開状況・

​通年公開(有料)

定休日:日・月・祝日

水曜午前、土曜午前は茶道教室のため同席の可能性あり

【どんな人におすすめ?】

町家の庭、ヒューマンスケールで落ち着いた庭が好きな人に

【外部サイト】

京極庵​ (公式サイト)

京極庵|うどん県旅ネット(公式観光サイト)




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