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頼久寺庭園

更新日:2月18日

【頼久寺について】

岡山県高梁市にある臨済宗寺院 頼久寺(らいきゅうじ)は足利尊氏が諸国に命じて建立させた安国寺の一つ。もとの寺号は安国寺だったが、16世紀にこの辺りを治めた上野頼久によって再興されたので頼久の死後安国頼久寺と改名した(現在は単に頼久寺と呼ばれることが多い)。

頼久寺があるのは備中松山城がある山の山裾。山裾の斜面に石垣を築いて要塞のような作りになっている。この辺り(主に頼久寺の南)は高梁の寺町で、山裾に石垣の寺が複数ある。

​【庭園について】

頼久寺の庭園(名勝)は書院の南にある。北・西・東の三方をそれぞれ書院、庫裏、山の斜面で囲まれている。南側は開けていて、南東1.5kmの愛宕山が見える。

小堀遠州の作庭と言われている。遠州作と言われる庭園は各地にあるが、大体は文書で裏付けが取れない。頼久寺庭園も「いつ誰が作った」という文書は無い。ただし、小堀遠州が若いころこの地にいたことは確かなので比較的可能性はある。

形式からいうと蓬莱鶴亀を表した枯山水。書院から見ると目の前に延段と白砂敷きがあり、その向こうに鶴島、さらに奥に亀島がある。このうち鶴島の石組はマニア評価が高い。

”鶴・亀の島を置いて石を組み、全面に白砂を敷く。書院左手の山畔のサツキの大刈込が本庭に特異の景趣をもたらしている。正面、愛宕山を借景する。”

​(国指定文化財等データベースより)

ディティールでは延段や灯篭が注目される。

【雑談】

庭巡りの割と初期に行ったところ。大波を表したといわれる大刈込が見事な造形といわれるが、写真ではピンと来なかったので行ってみた。山裾の斜面にくっつくように頼久寺はあり、大刈込のある斜面も山の一部。借景の愛宕山まで山が続いているイメージで見ると、大刈込に少しパワーがあるようにも思えてきた。ただ当時はどう考えても刈込が大波には見えなかった。

行ったのが五月だったので、色々な緑が混在していたのが印象的だった。

【さらに余談】

​重森三玲が生まれ育った吉備中央町はこの近く(といっても、山道を通ってバスで数十分といった距離だが)。頼久寺庭園鶴島の鋭い立石はいかにも三玲好みに見えるが、重森御大に影響したのだろうか?

頼久寺庭園主景
頼久寺庭園主景
鶴島のアップ
鶴島のアップ

刈込
刈込

建物と崖の間の小スペース
建物と崖の間の小スペース

飛び石など
飛び石など

丸窓から見た頼久寺庭園
丸窓から見た頼久寺庭園


【基本情報】

・施設の性格:仏教寺院。ただし小堀遠州作とすると、遠州がこの寺を仮の居館としていた時の作庭となる。

・作庭年代:推定江戸時代初期

・所在地

〒716-0016 岡山県高梁市頼久寺町18

・アクセス

JR伯備線、備中高梁駅下車 徒歩15分

・公開状況:公開(有料)

【外部サイト】

天柱山 頼久寺 (公式サイト)

頼久寺庭園-高梁観光情報(高梁市観光協会公式)



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