庭と○○:イベント、アトラクション
更新日:4月6日
【前説】
庭園は鑑賞するだけが楽しみ方ではありません。
歴史的にみればむしろ、庭園で何かをして楽しんだり演出や飾りつけを含めて楽しむ方が本来の楽しみ方と言えるでしょう。
この記事ではそのようなイベント、アトラクションをいくつかピックアップして紹介します。
【イベント、アトラクションの例】
・曲水の宴:城南宮 年2回
曲水の宴はかつて宮廷や貴族の邸宅で行われた遊びで、奈良時代から平安時代中期にかけては宮廷の正式行事としても開催されました。
京都市伏見区にある城南宮の庭園では年2回、春と秋に曲水の宴の再現行事が行われます。
このほか仙巌園、太宰府天満宮、北野天満宮でも曲水の宴の再現行事が行われています。
・タンチョウの園内散策:岡山後楽園、1月1日を含む年数日
岡山後楽園では江戸時代からタンチョウが飼育されていました。戦後一時いなくなりましたが、1956年に復活。現在では毎年秋から冬にかけて年数日、タンチョウに園内を散策させるのが恒例となっています。時間は1回約1時間です。タンチョウは主に芝生を歩きながらえさをついばんでいますが、多いときで4回くらい飛行姿を見せてくれます。
・能、狂言:岡山後楽園、年数日
江戸時代、上級武士が好んだ芸能の1つが能でした。岡山後楽園を造った池田綱政も能に熱心で、家臣や領民の前で自ら能を披露することもありました。
現在の岡山後楽園には池田継正 (綱政の子) 時代の遺構にもとづいて能舞台が復元され、能や狂言が上演されています。
・鷹匠の技実演:浜離宮恩賜庭園 正月 (2024年は1月3日)
鷹匠とは鷹を飼育・訓練して鷹狩を行う人々です。東京都の浜離宮恩賜庭園では例年1月2日または3日 (あるいは両方) に鷹匠の技を実演することが恒例になっています。
・「池泉牡丹」(池にボタンの花を浮かべる演出):由志園 ゴールデンウイークの期間
由志園は島根県松江市の大根島にある観光庭園。
大根島はボタンの産地で、かつてはボタンなど花の行商で島を離れる人が多く、家族が離れ離れになることも多かったと言います。島を離れないで済むよう、島に産業を造るのが由志園の「志」です。
毎年4月下旬から5月上旬には3万輪のボタンが池に浮かびます。池を彩る花は苗の育成の過程で摘み取られたものです。
・和船運航:栗林公園、通年
栗林公園では園内のハイライトである南湖周辺を舟から楽しむことができます。
定員6名、30分ごとに運行。所要時間は乗船下船を含めて約30分。
通年で運行しているのが嬉しいです。
・ライトアップ
・インスタレーション
・雲海
・ホタル
・甲冑 (かっちゅう)の着装:仙巌園など
【その他】
以上のほかにも、茶会、歌会、伝統工芸体験、各種展示会などのイベントが各地の庭園で行われています。また着付けや伝統工芸品づくりなどの体験ができる所も数多くあります。数が多いので1つ1つは書きませんが、近くの庭園や行く予定のある庭園で行われていないか調べてみましょう。
【むすび】
庭園は鑑賞するだけが楽しみ方ではありません。日本各地の庭園でさまざまなイベントやアトラクションが提供されています。イベントに参加したり、その時限りの展示や演出を見るなどしてもっと庭園を楽しましょう。
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