

平等院庭園と浄土のイメージ
【はじめに】 平等院庭園は浄土式庭園の貴重な現存例として、庭園の概説書には大体出てきます。ですが、一般的には鳳凰堂だけが有名で、あまり庭園のイメージはありません。 庭園のイメージがない理由は、ほぼ池と建物しかないからです。私も平等院庭園を初めて訪れた時、池と建物にしか意識が...
2月7日


瀬戸内海歴史民俗資料館 土地と建築と中庭のつながり
【瀬戸内海歴史民俗資料館とは】 瀬戸内海歴史民俗資料館は、香川県中部、五色台という山塊の上にある人文系博物館。瀬戸内海沿岸11府県の暮らしと文化に関する道具を収集、保存、研究、展示しています。 収蔵品は農村や漁村の生活道具が多く、キャッチーさはありませんが、実物展示が多い博...
1月31日


雪の石谷家住宅とその庭園
【石谷家住宅とその庭園:石谷家について】 石谷家は智頭(鳥取県南部の山地にある)の商家。江戸時代は宿屋を営み、明治以降は山林地主として栄えました。 現在残る石谷家の住宅は大正8年から昭和4年にかけて造営されたもので、部屋数が40、蔵が7つという大邸宅です。主屋、座敷棟、蔵な...
1月24日


園路集4:公共の庭
【はじめに】 公共庭園の園路は美観以外に、訪れる人々の快適さや安全性、庭園の保全などを考慮して計画されます。通常、施主やデザイナーの趣味を徹底することはできません。ただし、制約のある中でも、植栽などを工夫して趣ある風景を作ろうとはしています。 【公共の庭ゆえの条件】...
1月18日


披雲閣庭園を室内からも見よう
【はじめに】 香川県高松市、玉藻公園内にある披雲閣庭園は国指定名勝。建物(披雲閣)は重要文化財。 三が日など、披雲閣が公開される日に行けば、本来の視点から庭を見ることができます。 【披雲閣とは】 披雲閣は高松城主だった松平家の子孫が大正時代になって高松城内に建てた別荘です。...
1月11日


香川県庁舎庭園の評価 芸術性と実用性
【はじめに】 1958年に竣工した香川県庁舎は、丹下健三の代表作の1つとされます。丹下研究室の神谷宏治氏が設計した南庭も、庭園の世界ではよく知られたものです。 本記事では、香川県庁舎南庭の特徴と評価を、「造形」「象徴性」「実用」の面から見て木行きましょう。 【造形】...
1月4日


庭園と月
【はじめに】 庭園を巡っていると、「月」の名のついた建物や設備を見つけることがあります。庭園と月には何かと縁があったようです。 今回は庭園と月の関係を考えてみます。 【庭園で行う月見の宴】 庭園と庭の縁と言えばまず思いつくのは月見です。...
2024年12月28日


都会の庭:GINZA SIX rooftop garden
【はじめに】 庭園に求められるのは憩いの雰囲気ばかりではありません。施設の性格やブランディングを考慮したのか、かなり硬質な庭が造られることもあります。今回は銀座のスタイリッシュな屋上庭園「GINZA SIX rooftop garden」を紹介しましょう。 【GINZA...
2024年12月20日


都会の庭:京王プラザホテルの外空間
【はじめに】 京王プラザホテルの外空間とは、1971年の京王プラザホテル新宿開業時に造園家の深谷光軌氏がつくった庭園です。特に、建物と4号街路の間にある幅100、奥行き15mの空間のこと。「外空間」は深谷氏が好んだ言い方で、ホテル側は「雑木林庭園」と呼んでいます。...
2024年12月13日


園路集3:大名庭園と武家屋敷の庭
【はじめに】 桃山時代から江戸時代にかけて、大名の権力と財力を背景にして大規模な庭園が多数つくられました。その中には園路に工夫を凝らしたものも多く、興味深い事例の宝庫となっています。本記事では筆者が実際に訪問した庭園の中から、気になったものを写真で紹介します。...
2024年12月6日